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[小説 時] [130 強迫]

130 強迫

 それも含めて、取り引きが成立したんだろう?
 お互いに納得し合っていなければ、正常な取り引きとは云いませんよ。それは、強迫とか恐喝とか云った類です。
 今度のことだけを考えれば、そう云うことにもなるだろうな。でも、一つ一つの取り引き毎に収支を考えて商売できるのは、大手だけだろうよ。
 そうですか?
 そんなことよりも、先に考えることがあるんじゃないのか?
 厳しい言い方ですね。・・・でも、もうこれで終わりにします。何時までもこんな状態では、遣り切れませんから、・・・。これでお仕舞いです。
 それが良いな。・・・しかし、彼女のことは、もう全く望みがないのか?
 もう、ありませんね。

 一抱えもあるような新聞が届いた。正月の気怠い昼下がりだった。

 おめでとう。
 おめでとう。・・・・・。
 何か、言って欲しいな。
 何もない。・・・只、時間に遅れないように、・・・それだけだ。
 ありがとう。づっと、礼を言いたいと思ってた。
 まだ早い。
 これで充分だよ。
 手を引いても良いのか?
 いや、・・・そう云うことじゃないんだ。
 今でも、決して、お前の考えに賛成だと云う訳じゃない。・・・実際、気が重いよ。止めようと言ってくれれば、ほっとするだろうな。
 ・・・・・。
 そうだね。断わる機会は幾らでもあったのに、・・・。今更、遅いか。

-May/31/1998-

・・・つづく・・・



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