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[小説 時] [50 記者]

50 記者

 ありがとうございました。
 何んのことでしょう?
 玄関で、見ましたよ。後ろ姿でしたけど、・・・。そうですね?
 ・・・・・。
 そのために、呼んでくれたんですね?
 ・・・・・。
 前の二人は知ってますが、・・・後ろの一人は、誰ですか?
 新聞社の方だと聞いてます。
 新聞記者?・・・議員が、記者を連れて、こんな時間に、何故、・・・此処へ?
 ・・・・・。
 今更、事故に関係する話でもないでしょうね?
 ・・・・・。
 違うな。・・・運動場用地の件?
 ・・・・・。
 まさか、そんなことは、・・・。だって、何時かは公表されるんですから、・・・。
 ・・・・・。
 それに、わざわざ人目を避けて話すようなことじゃない。
 ・・・・・。
 秋には、選挙があるそうですね?
 ええ。
 そのことですか?
 ・・・・・。
 何か言って下さい。

 そうでしょうね。無理でしょうね。・・・帰ります。
 そうですか。・・・お車をお呼びしましょう。
 あなたの声を聞くのは、久し振りのような気がしますよ。・・・もしかしたら、高校の時以来かもしれませんね。
 必要な時に役に立てば、それで充分だと思っていますので、・・・。
 尤もですね。・・・全く、腹立たしい程、利口な女だ。
 誉めて戴いてるんですか?
 感心してるんですよ。
 本日は、どうもありがとうございました。
 今は、解りませんが、・・・礼を言わなければならないのは、きっと、わたしの方なんでしょうね。・・・どうもありがとうございました。
 もう少し、お役に立てれば良かったんですが、・・・。
 いえ。多少混乱気味でが、あなたの心遣いに、感謝します。車は要りません。歩いて帰ります。

-Oct/18/1997-

・・・つづく・・・



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