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仮に警察へ駆け込まれても、今度の立候補は諦める程度のことだ。だが、その次には必ず立つ。何しろ、親父が急いでいるからな。・・・結局のところ、今と何も変わらんのだ。何故、そんな話が当り前のように話せるのか、それが良く解らないんだよ。みんながそうだ。叔父さんだってそうだった。・・・でも、お父さんだけは違う、必ず、筋を通してくれるだろう、そう期待していた。それだけのことを知っているのなら、尚更のことだよ。 今からじゃ、もう遅い。 まだ、遅くはないさ。・・・この儘で済まそうなんて、虫が良過ぎる。 青臭いことを言うな。こんなところでいきり立ってみても、何の役にも立たん。 事故を目撃したのは、一人だけじゃなかった。 本当か? あの時間に、誰も見ていた者がいないと云う方がどうかしてるよ。 通報はなかった。 もう一つある。・・・今日の新聞記事ね、・・・あれは、駆出しの記者が、汗を流しながら、やっと拾ったと云うような記事じゃないんだ。局長あたりが、涼しい部屋で、料理や銚子を前にしながら、拝み倒されて書いたものなんだよ。・・・きのう、その現場にいたんだ。運良く、顔を合わせずに済んだけどね。・・・もう、それだけでそれが誰かは判るでしょう? ・・・目的は何だ? それは解らない。でも、何かしら目的があったことは、間違いないよね。何もなしに動く連中じゃないんだから、・・・。しかも、かなり慌てていでたんだろうと思う。そうでもなければ、新聞記者と一緒の車で乗り着けるなんて、そんなことをする筈がないよ。 慌てる?・・・何を? 記事は、今日じゃなければならなかったんだろうと思うな。・・・納骨式が今日だと云うことは、当然知ってただろうからね。 そうさ。なかなか、頭が良い。・・・それを少し、冷やしてやろうと思ってるんだよ。 どう云うことだ? 苦い薬を、飲んで貰おうと思う。 -Oct/25/1997-
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