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[小説 時] [72 機会]

72 機会

 しかし、こちらから出向いて行く訳にはいかないんだ。今の仕事のこともあるし、そもそも、会っては貰えないだろうから、・・・機会が来るのを、待つ外はないんだよ。
 お父さんは、・・・。
 殆どのことは知ってるだろうね。でも、認めないだろう。
 どうして!
 決して納得できるような決断じゃなかっただろうから、・・・。
 知らなかった。
 心配を掛けたくなかったんだよ。
 ・・・・・。
 機会を待とう。・・・何時か、その時は来る。
 お父さんに相談しましょう?
 だめだ。・・・これは自分一人で決めたことだし、外の誰の手も借りたくない。それが、お母さんとの約束だから、・・・。
 でも、一人じゃ、・・・。
 傷を負うのは一人で充分だよ。関わりを持てば無傷で済むとは思えないからね。
 何を考えてるの?
 それは誰にも話せない。
 どうして?
 それも話せない。・・・ねえ、二つ頼みがある。
 何?
 もうこの話はしない、聞いたことは全て忘れる、・・・。どう?
 何故!
 こんな不愉快な話を覚えていても、何も良いことはないし、初めに言ったように、裏付けのある話じゃないからね。・・・委せて欲しい。話が着いたら、その時にはどんなことでも説明するよ。

-Dec/6/1997-

・・・つづく・・・



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