[小説 時] [106 羽根] |
106 羽根
帰ろう。酔ったわ。 そうだね。 帰りましょう。 これまでに、一度だって、・・・どんな時にも、・・・これを途中で手放したことはなかったよ。それが、・・・づっと長い間の自慢だった。それが唯一の羽根飾りだった。 あなたは運が良い。あなたには、今からでもできることがあるんだもの。 しなければならないことが、ね。 そうよ。だから、その羽根飾りをこれ以上は汚さないで、・・・。 寒い。 疲れたろう? そうね。・・・でも、嬉しかったわ。 それもこれも、もうこれで仕舞だ。 ・・・あなたは、・・・何かを恐れている。・・・違う? えっ? 何が恐いの? 何も、・・・。 それじゃ、きっと迷っているのね? 確かに、迷っていたよ、今まではね。でも、もう済んだ。 そうかしら? 何を言いたいんだ? 疲れたわ。 そうだろうな。・・・眠っても良いよ。目が醒める頃には着くだろうから、・・・。 -Mar/22/1998-
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