[小説 時] [136 会長] |
136 会長
会長の挨拶が続いた。母校に新しい図書館を建設するべく募金運動を始めたこと、生徒会役員経験者を母体とする我が会の会員が二百人を越えたこと、それに伴って社会的な影響力も大きくなったこと、既にこのOB会からは五人の議員を生み、現在二人が在任中であること、そして、今回この会からは初めてとなる県議会議員を目指している会員がいること、・・・。 理由と云うのは、それか? そうだよ。 何時から政治活動をするようになったんだ? お前はすぐに選挙権を向こうに移したから、知らないのも無理はないが、会員の誰かが立つとなれば、今までだって相当力を入れてやって来たんだよ。 それは知らなかった。 尤も、こう云う場所で話が出るのは初めてだろうがね。 紹介された男が自分の席から簡単な挨拶を済ますと、会長の冗長な挨拶は続いた。 これまでとは違って本格的な取り組みが必要になること、従って、三月の定例理事会では組織的に支援活動を行うための提案をすること、他の幾つかの同窓会でも同様の決議がなされる予定であること、・・・。 -Dec/6/1998-
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