[小説 時] [153 歓迎] |
153 歓迎
誰かと思えば、お前か。・・・まあ、今日は誰でも歓迎するよ。さあ、飲むぞ。何んて言い方なの。あなたを此処まで送って下さったのよ。 そうか。・・・ところで、他の連中はどうしたんだ? 此処より、温泉に入る方が良いんですってね。 そう云えば、そんな話だったな。 薄情な人達ね。 たまには良いだろう。・・・さて、俺もそろそろ出掛けるとするか。 (まさか、・・・そんな、・・・) あなたは温泉より此処が良いんでしょう? それもそうだが、これも付き合いだよ。 あなたがいなくたって、みんな、好きにやっているわよ、今頃。・・・何時も付きっきりなんだから、こんな時位勝手にさせてあげたら?・・・その方が喜ぶわよ、きっと。 (助かった!) ところで、俺はどうして一緒に行かなかったんだ? さあ、知りませんね。幹事には家まで送り届けてくれと言われただけでしたよ。 お前にか? 車がなかなか捕まらなかったんでしょう。 おかしいな。そんなことを頼んだ覚えはないんだがな。 みんなと一緒だったら今夜は泊まりでしょう?・・・明日もあるんだから、今日は家でゆっくり休んだ方が良いわよ。幹事さんが、きっと、気を利かせてくれたんだわ。 確かに、・・・このところ休みなしだったからな。 そうと決まったら、さあ、飲みましょう。まだ時間も早いことだし、・・・。 俺にももう一杯くれ。 もう止した方が良いんじゃない? 大丈夫だ。 -Aug/1/1999-
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