[小説 時] [169 支度] |
169 支度
支度ができたよ。ありがとう。 どうぞ、・・・。 ありがとうこざいます。 わたしにも一つ戴けますか? ええ、・・・。 いただきます。 これまでの、・・・あなたの心遣いに、感謝します。それから、お前にも、・・・。どれだけ礼を言ったら良いか、分からない。 そんなことはともかく、これで万事が終わりと云う訳にはいかないだろうから、覚悟だけはしておけよ。 そうだろうね、きっと、・・・。だが、後は自分で始末するよ。これ以上、君達に迷惑は掛けられないし、これ以上、大事な人を失いたくない。 どうしてそう思うんです? 手酌にさせて貰えませんか? 構いませんが、でも、そんなことをされたら、きっと、飲み過ごされますよ。 少なくとも、今は、酔った時の勢いが必要なんです。勢いを付けなければ、あなたの期待に応えることができないんですから、・・・。 わたし達が今、何を望んでいるか、それを聞いて下さいませんか? ・・・何ですか? もうすぐ夜が明けるんですよ。少しでもお休みになって、・・・お酒は、それからでも遅くはないと思いますが、・・・。 そうだな。・・・これだけ片付けたら、そうしよう。 -Oct/3/1999-
|