[小説 時] [178 見解] |
178 見解
穿った見方をすれば、或いはそうなるのかもしれませんね。只、一つ一つの出来事には、それなりの必然性があった訳で、それはどれも説明してある筈です。結果的には、そう見えるのかもしれませんが、それは意図した結果ではありませんよ。一年半前の交通事故のことや、あなたがその件で、何やら動いていたらしいと云う話、最近では、あなたの婚約に纏わる話、・・・どれも聞いていますよ。それでもですか? そう云う質問に答える心算はありません。今度のこととは無関係ですから、・・・。 それはあなたの見解で、わたしは、少なくとも、そうは思っていませんよ。 個人的にどう解釈しようと、そんなことは勝手ですが、公式の見解だと云うことになると、大変迷惑な話ですね。 そうなるかどうかは、あなた次第です。 何時までもその話に拘ると、あなた方の方が困ることになるだろうと思いますよ。 何のことですか? 昔話なら署長の方が詳しいでしょう。此処へ呼んで戴けませんか? 何のために? そう伝えて貰えれば解る筈ですよ。あなたにも、是非聞いて欲しい話です。・・・勿論、無理にとは言いません。・・・わたしは待てますよ、幾らでも、・・・。 どう云うことなのか、もう少し具体的に話して戴けませんか? わたしもそれが聞きたいんです。 でも、それだけでは取り継ぎようがないでしょう? それならそれで、わたしの方は構いませんよ。 昨日のことに関わりがあることですか? 署長がどうお考えになっているかは分かりませんが、恐らく、あるでしょうね。 具体的に説明して戴かないと、無理ですよ。 無理なら構いません。・・・それじゃ、先に進みましょう。 分かりました。その件は相談してみます。 この機会を、これまでづっと待っていましたと、忘れずに伝えて下さい。 -Jan/22/2000-
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