[小説 時] [182 側溝] |
182 側溝
そう、・・・。良いわ。ちょっと待って、・・・。これから、すぐに支度をするから、その間に詳しく説明するのよ、分かったわね?・・・約束してよ。そんな言い方は止してくれよ。もう、うんざりしてるんだから、・・・。 あなたのことが心配なのよ。 もう、心配することなんか何もない。 待って、・・・。先に火を付けて来るわ。それまで待って、・・・。 さあ、話して、・・・。一体、何があったの? 昨日の夜遅く、酔払いが側溝に転落して死亡すると云う事故があってね、運の悪いことに、そいつと一緒だった。全くついてない。・・・それだけだよ。 事故、って、・・・それは、本当なんでしょうね? 目撃した本人がそう言っているんだから、これ以上確かなことはないだろうね。 どんな様子だったの? 手を出すまでもなかったよ。急に自分から飛び込んで行ったからね。後は、全然動かなかった。・・・実際、がっかりしたね。あんなに意気地がないとは思わなかった。 その話、信じても良いのね? 心配しないで、・・・。単なる事故だと云うことは、お母さんの時と同じように、警察が証明してくれるさ。その場凌ぎの嘘を付ようなことはしないよ。 -Jul/15/2000-
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