【日本語を読むための漢字辞典】 『現代おもしろことわざ辞典』
『故事・俗信ことわざ大辞典』(小学館)・『実用新ことわざ辞典』・『新編格言ことわざ辞典』(むさし書房)・『ことわざ小事典』(永岡書店)・『中国古典名言辞典』(講談社)などから面白いと思うものを選び、語感を失うことなく、現代風にアレンジしたり、鉄人(ジテン・フェチ)風解説を試みたので、まじめに受け取らないように。
故事ことわざなどのほかに慣用句も含むのは、世のことわざ辞典と同じであるが、四字熟語は『四字熟語の辞典』として別途取り上げた。まだまだ少ないが、徐々に増やしていくので、こうご期待。
【あ行】
[挨拶(あいさつ)より円札(えんさつ)]
「挨拶より万札」と変えた方が良いだろう。挨拶より金銭が良いという意味だが、1円札は流通していないし、金銭感覚からしてもそうだろう。「年賀状よりお歳暮」といえば言い過ぎか。
[開いた口がふさがらない]
びっくりしたり、あきれたりして、口を開けたままぽかんとすること。鉄人のページを3日も連続で雑誌に載せてくれるなんて開いた口がふさがらないなんてレベルじゃないな。
[会えば五厘(ごりん)の損がゆく]
「会えば五万の損がゆく」と変えた方が良いだろう。人との交際には費用がいるという意味だが、五厘という金額がないことと、「ごまん」とかかるということにあてた。
[赤トンボ、羽をとったら唐辛子]
いかにもそうだなって、感じ。ほかにも何か言い換えできそうだ。
[赤飯(あかめし)とフグ]
食い合わせの一つだそうだが、いかにもぜいたくは敵と言っているような。
[空き樽(だる)は音が高い]
空っぽの樽がたたくと高く響くように、教養のない人ほど良くしゃべるということ。「空き樽は音が高いというが、鉄人もべらべらといらぬ事ばかりしゃべっている」などと言われないようにしなければと思う。
[悪女の深情(ふかなさ)け]
「美人は、情が薄いが、醜い女は愛情が深い。」などという意味ではない。醜い女は、愛情も深ければ、嫉妬も深い。転じて、ありがためいわくなこと。
[悪銭(あくせん)身に付かず]
良くないことやつまらないことで手に入れたお金はたちまち無くなってしまうということ。鉄人は、たまたまパチンコに勝ったりすると、悪銭身に付かずだからといって辞典を買ってしまう。
[朝起きは三文の得]
朝早く起きると、何か少しでも良いことがあるということ。鉄人は、朝起きは三文の得とばかり、朝早く起きてコンテンツを作っている。普通は、「早起きは三文の得」という。
[足が鈍(にぶ)る]
行くのがいやで、歩くのが遅くなったり、行こうとしなかったりすること。歯医者は痛いので、足が鈍る人も多いだろう。鉄人もその一人である。
[明日(あした)は明日の風が吹く]
今まで月に恵まれなかったが、明日は運が向いてくるかもしれないから、運を天に任せようということ。明日は明日の風が吹くと思って待っているが、いっこうにアクセスが伸びない。
[味もそっけもない]
おもしろくも何ともなく、つまらないこと。味もそっけもないようなことわざ辞典の方が本当は役に立つのかも知れない。
[味をしめる]
一度うまくいったことと同じようなことをまたしたくなること。雑学の鉄人が、25回も雑誌に載ったので、鉄人は味をしめてi-modeページをまた作ろうとしている。
[小豆(あずき)の豆腐(とうふ)]
あるはずがないことをいう。しかし、作ってみようとした人はいないのだろうか。ただ、あの淡泊な味の豆腐が、しっかりと小豆風味になってしまって、料理ではなく、菓子のようになってしまうのが落ちだろう。
[当たって砕(くだ)けよ]
何ごともやってみないことにはその成否はわからないからとにかくやってみようということ。しかし、いつも砕けてしまったのではいけない。失敗は成功の母にしなければならない。
[頭が切れる]
頭脳の働きが良く、思考力に優れていること。たいした辞典ではないので申し訳ないが、頭が切れないものでも、このぐらいの辞典はできるという見本だと思って貰えばと考えている。
[頭が下がる]
感心したり、敬服したりすること。海外でのNGOの活動には、頭が下がる思いである。
[頭に血が上(のぼ)る]
かっとなって訳が分からなくなり、自己制御できなくなること。人を人とも思わない人事当局の処置に、組合幹部は頭に血が上って交渉を断絶した。
[あたらずといえども遠からず]
ぴったり当たっているというほどではないが、ほとんど間違いないこと。鉄人は自信過剰だといわれると、あたらずといえど遠からずだと、いわざるをえない。
[虻蜂(あぶはち)取らず]
二つのものを同時に得ようとしてもどちらもとれないことを言う。二つならぬいくつもの辞典を同時に編集している鉄人など況やである。
[雨垂(あまだれ)石を穿(うが)つ]
少しずつでも根気よく続ければ何ごともうまくいくと言うこと。鉄人もそれを信じて微力ながら辞典を作り続けている。
[過(あやま)てば即(すなわ)ち改(あらた)むるに憚(はばか)ること勿(なか)れ]
出典は、『論語』。あやまちをおかしたことをしったら、ためらわずに直ちに悔い改めるべきであるということ。漢和辞典の出版社に、国字説の誤りを典拠をつけて連絡したが、過てば即ち改むるに憚ること勿れの精神で積極的に訂正したところはなかった。
[案ずるより生むが安し]
する前に心配しているより、やってみると案外簡単であるということ。辞典づくりはその逆で、思ったよりたいへんなことが多い。
[言い勝ち高名(こうみょう)]
言葉数の多いものが勝つということわざだが、言いたいこともいえない人に使おう。多弁な人はよりうるさくなるぞ。
[言いたいことは明日言え]
うるさ型の人、一言多くて失敗している人に対して言うことわざ。
[言うは安く行うは難(かた)し]
言うのは誰にでもできるが実行するのは難しいこと。評論のための評論に終わっている多くの評論家に言ってやりたいことである。評論している以上のものがあなたにできるのか。そうでなければ、評論のための評論であって建設的価値を持ち得ないと。
[如何物(いかもの)食(ぐ)い]
普通なら食べないような物を好んで食べること。また、その人。蓼食う虫も好きずきとはいうが、如何物食いができる人には驚いてしまう。
[生き馬の目を抜く]
生きている馬の目を抜くほど素早いという意味から、人を出し抜いたり、ずるがしこく抜け目がなかったりすること。
[いざ鎌倉]
鎌倉時代に、一大事が起こったときに、幕府に召集されたことから言われるので、今ならさしずめ「いざ東京」ということになろう。
[石に裃(かみしも)]
堅いだけがとりえの人のこと。鉄人のことではない。そうであれば、『和製漢字の鉄人』などという名のページを作ったりしない。名前のように「石部金吉」というのもある。
[石に灸]
何の効き目もないこと。糠に釘などと同類のことわざ。
[石の上にも三年]
冷たい石の上でも、三年も座り続ければ、暖かくなるように、根気よく一つのことをせよということ。鉄人はあれこれ手を出しすぎてどれもものになっていない。
[石橋を叩(たた)いて渡る]
用心に用心を重ねる意というが、「石橋を叩いてから渡る」、「石橋を叩きながら渡る」、のふたつの意味にとれるなんて事が、国語学の問題として出題されていたことがある。
[衣食(いしょく)足(た)りて即(すなわ)ち栄辱(えいじょく)を知る]
生活が安定してはじめて名誉・不名誉の別をわきまえるようになる。食べるのに必死であると名誉であるとか恥辱とかいってられないのは事実である。鉄人も衣食足りて即ち栄辱を知るというところまで来ていないので、がむしゃらに小さな辞典を作り続けている。
[市(いち)に虎あり]
出典は、『韓非子』。全くあり得ないようなことでも、多くの人がいうと、信じるようになるということ。いくら「市に虎あり」といっても、昔あったトイレットペーパー買いあさり騒動はあまりにばかげていた。
[一念(いちねん)岩をも通(とお)す]
「虎」と「岩」を間違えて矢を射たら、矢が岩を通ってしまったという、諺というより故事成語。ある諺辞典に、これのかわりに、「女の一念岩をも通す」がある。よっぽど女の人に恨みでもあるのだろうか。
[一将(いっしょう)功(こう)成(な)りて万骨(ばんこつ)枯(か)る]
何時の世も、功績は上のものだけのものとなり、下のものの労苦は報われないことを言う。
[いつまでもあると思うなページとアクセス]
正しいことわざは省略。インターネット世界での至言であると思うがいかが。ほとんど訪問しないリンク先のページ、更新の努力のないページのアクセスは、なくなりやすいのは当然のこと。
[井(い)の中の蛙(かわず)大海(たいかい)を知らず]
時には「井の中の蛙」になるのも良いと思う。自分よりすぐれた人ばかり見ていると思い切ったことはできない。『和製漢字の辞典』も「井の中の蛙」なればこそ作れたものである。なお、「井」とは、「井戸」ではなく、中国周代の「井田制」の1里四方をあらわす「井」のこととする説もある。
[芋(いも)を洗うよう]
たくさんの人でひどく込み合っている様子。都会の海水浴場は、まるで芋を洗うようなものだと聞くが、ネット上では、ホームページ作者が、芋を洗うようにいるのだから、はやるページを作るのは並大抵のことではない。
[雨後(うご)の筍(たけのこ)]
同じようなものが次々現れること。何かはやることがあると、雨後の筍のように似たようなものが次々でてくるものだ。
[牛の歩みも千里]
歩みの遅い牛でも、たゆまず行けば千里の道もいけるということ。鉄人も「牛の歩みも千里」で「ことわざ辞典」を使いでのある辞典にしたいと思っている。
[牛負けた]
馬勝った(おいしかった)というしゃれ。時と場合を考えても、今時使うと場を白けさせること請け合いの駄洒落。
[嘘を言うと嘘歯が生える]
嘘歯は、鬼歯・八重歯など歯並びからはずれた歯のこと。愛媛地方のことわざというが聞いたことが無い。歯並びの悪い人のことを嘘つきだといっているようで、使うべきでないことわざではあるので、あまり使われることもないのだろう。
[うつつを抜かす]
ほかのことには見向きもしないように熱中する。ホームページづくりにうつつを抜かしているといわれるぐらいにならないと、なかなかいいものはできないものである。
[独活(うど)の大木(たいぼく)]
体ばかり大きいが役に立たない人のこと。鉄人も小柄な方ではないので、独活の大木と聞くと、自分のことではと思ってしまう。
[鵜(う)の目(め)鷹(たか)の目]
熱心に物を捜しているときの鋭い目つきのこと。海のごとく広いネット世界、鵜の目鷹の目で捜しても、ほんとうに役に立つ情報を得るのはなかなか難しいものだ。
[馬から落ちて落馬(らくば)する]
漢文訓読の際できた二重でおかしな語法。重言に似るが異なる。重言なら「馬から落馬する」となるから、重言より重なり方がひどいと言える。『雑学の鉄人』に「危険が危ないの辞典(重言の辞典)」がある。
[生まれた後の早め薬]
赤ん坊が生まれてから出産を早める薬を飲んでも何の役にも立たないように、時機に遅れて役に立たないこと。
[海の水を柄杓(ひしゃく)で汲(く)み干(ほ)すよう]
効果が無く、はかどらないこと。ことわざの世界は、大海のように広く、鉄人の辞典づくりは、まさに海の水を柄杓で汲み干すようなもので、遅々としてはかどらない。
[瓜(うり)の蔓(つる)に茄子(なす)はならぬ]
「ポマト」って、「ポテト」と「トマト」の「あいのこ」があったような。そんなことがわからない時代の諺といえる。現代は、動物にも「ライガー」とか「レオポン」とか変なやつがいる時代だから、こんなことわざは何時覆されるかも知れない。
[雲泥(うんでい)の差]
天地の差ほど非常に大きな違いがあること。鉄人のことわざ辞典もネット上でこそ大きな部類にはいるようになったが、出版物と比べると雲泥の差である。
[運を天に任す]
一所懸命努力した後は、結果がどうなるかはじっくり見守るしかないということ。『ことわざの鉄人』は、まだまだ不十分で、運を天に任すなどと言えるほどのものではない。
[栄華(えいが)あれば必ず憔悴(しょうすい)あり]
栄えているものは、必ず衰えるのが定めであるということ。栄華あれば憔悴ありと、他のサイトの衰えるのを待っていたのでは人気サイトは作れない。
[英雄(えいゆう)色(いろ)を好む]
英雄は何ごとにつけ精力的であるので、女色(にょしょく)も好む傾向が強いということ。英雄色を好むのは致し方ないが、色のみ好む凡人は、何の役にも立たない。
[易者、身(み)の上(うえ)知らず]
易者は他人のことは判断できても自分のことは判断できないということ。路上で占いをしている易者を見ると、やはり「易者、身の上知らず」なのだなあと思ってしまう。
[絵に描(か)いた餅(もち)]
見た目は立派だが、何の役にも立たないこと。レイアウトが綺麗で目を引くページであっても内容が貧弱であれば、特に辞典ページは、絵に描いた餅のようだといわざるを得ない。
[蝦で鯛を釣る]
小蝦のような安価な餌で、高価な鯛を釣るということから、わずかな労力で大きな利益を得ることをいう。当初は、『和製漢字の鉄人』の一部をi-mode化したのにすぎなかった『雑学の鉄人』が、雑誌に10回も載ったのは、蝦で鯛を釣ったようなものだといえる。
[燕雀(えんじゃく)いずくんぞ鴻鵠(こうこく)の志を知らんや]
こんなことわざ、どこで使えるんでしょうね。「おまえら小者に俺のような大物の志は分かるか」と、不遇の身にある人がいうんですから、芽がでなかったときのことを考えると良い笑いものですね。これをいった陳渉は、一時的にせよ楚王になれたのですから良いですけれど、鉄人なんぞこわくて使えません。
[縁(えん)の下(した)の力持(ちからも)ち]
人目につかないところで重要な役割をしていることをいう。ほんとうに重要な役割をこなす人は、見えないところにいたりはしない物であるから、慰めの言葉に過ぎないと思われる。
[老(お)いたる馬は路(みち)を忘れず]
老馬が経験豊富で、道を間違えないように、老人は多くの経験を積んで、物事に精通しているという意味。老いたる馬は路を忘れずというが、記憶力は若いときの方がいいように思われる。
[追(お)い風(て)に帆を揚げる]
良い機会に恵まれ、物事が順調に進むこと。同じ努力をしても、追(お)い風(て)に帆を揚げてうまくいく場合もあれば、そううまくいかない場合もある。
[負(お)うた子を三年捜(さが)す]
身につけているのを忘れて探し回ること。得にメガネなどそうではなかろうか。
[大男(おおおとこ)総身(そうみ)に知恵が回りかね]
体ばかりでかく、頭の働きの鈍い人を馬鹿にして言う言葉。鉄人も小柄ではないので、大男総身に知恵が回りかねと聞くと、つい鉄人のことかと思ってしまう。
[大船に乗ったよう]
大きな船に乗っているようにすっかり安心して頼り切ってしまうこと。鉄人などを信用して大船に乗ったような気になってはならない。
[起きて半畳寝て一畳]
どんな広い屋敷に住み、どんな広い部屋に寝ても、起きていれば半畳あれば足りるし、寝ても一畳あれば足りるのであくせく働いても仕方がないと、貧乏人の半ばあきらめの混じったことわざ。
[奥歯(おくば)に衣(きぬ)着(き)せる]
いいたいことを率直に言わず、思わせぶりで嫌みな言い方。「奥歯に物が挟まったような」の方が一般的かと思われる。辞典では、奥歯に衣着せたような言い方をしたのでは解説が台無しになってしまうので、当ことわざ辞典は、明解なことを持って旨としております。
[奥歯(おくば)に物が挟(はさ)まったような]
思わせぶりではっきりものを言わなかったり、心に何か引っかかっているような言い方。奥歯に物が挟まったような言い方が良くないからといって、あまりに歯に衣着せぬ言い方をするというのも困ったものである。
[同じ穴の狢(むじな)]
外見は違うように見えても、実態は悪者仲間であるということ。
[教うるは学ぶの半(なか)ば]
人に教えると、自分の知識の曖昧なところもはっきりして、自分の勉強にもなるということ。鉄人は、メールや掲示板でよく質問を受けるが、その楽しみの一つが、「教うるは学ぶの半ば」ということわざで言い表される部分である。
[お茶の子さいさい]
ほんとうに簡単にできること。お茶の子さいさいの気分で簡単に作ったページは、はやったりしないものだ。
[鬼に金棒]
元々強い者が良い道具や条件を得てますます強くなること。ノート型パソコンにPDAがつけば、携帯ツールとしては、鬼に金棒だ。
[鬼も十八、番茶(ばんちゃ)も出花(でばな)]
「十八」は、数えの十八歳、今でいうと、十六歳ぐらい、このぐらいになるとどの女性も女らしく美しくなるということ。鬼も十八番茶も出花というのにかわらないなあなどというとセクハラといわれるので気をつけよう。
[帯(おび)に短し襷(たすき)に長し]
長さや程度が中途半端で何の役にも十分立たない。鉄人のことわざ辞典は、書籍のことわざ辞典の変わりをするには小さすぎるが、i-modeページには大きすぎる。まさに帯に短し襷に流しである。
[溺(おぼ)れる者は藁(わら)をもつかむ]
非常に困っている人は、あまり当てにならないものにまで頼るものだということ。鉄人のページに掲示板に質問をしてくる人は、まさに溺れる者は藁をもつかむの心境なのだろう。
[思い立ったが吉日]
何か事を思い立ったら、迷わずすぐに始めるのがよいということ。鉄人は、これが多すぎるので、どっちつかずのページが増えてしまうという弊害もある。
[思うこと言わねば腹脹る]
言い過ぎる人のためには、「物言えば唇寒し秋の風」なんてのもありますが、あんまり言わないでいてもストレスがたまって良くありませんよね。それをあらわす諺。
[親が親なら子も子]
親がだめなら子もだめという意味だが、他人が使うべきで、だめな子供が使うのは筋違い。「鳶が鷹を生んだ」とか反対に「親に似ぬ子は鬼子」などということわざもあるぐらいだ。しかし、両方立派ということわざはないんだろうか。
[女三人(おんなさんにん)よれば姦(かしま)しい]
セクハラだといわれそうだから、「男三人よれば何」って、鉄人に挑戦でだした問題だ。
[恩(おん)を仇(あだ)で返(かえ)す]
恩を受けた相手に感謝するどころか、害するような態度に出ること。教えを受けた先生の説を否定するような研究を完成させることは、恩を仇で返すことではなく、出藍の誉れとしてほめられるべきことである。
【か行】
[隗(かい)より始めよ]
よく聞く諺だけど、まさか「優秀な人材を集めようとするときは、さほど優秀でない、私、隗を優遇することから始めてください」という意味だったとは知らなかった人もいるんじゃないですか。
[買うは貰(もら)うに優(まさ)る]
人から貰うより、自分で苦労して手に入れた方が価値があるということ。買うは貰うに優るということがあるが、教えられるより、自分で研究して発見した方が優るというに似ている。
[蛙(かえる)の子は蛙]
子供が職業など親と同じ道を歩くようになること。このようなことが多ければ、後継者不足などということは解消されるのであろう。
[蛙(かえる)の面(つら)に水]
帰るに水をかけても平気なように、どんな仕打ちに対しても何ともないというような態度でいること。蛙の面に水のように見える人でも内心はつらいのかも知れない。
[顔色が変わる]
怒りやショック・恥ずかしさなどのため、顔の色が赤くなったり青くなったりすること。突然の事故の知らせに関係者の顔色が変わった。
[顔がつぶれる]
名誉や誇りなどを傷つけられること。顔ききをしてパソコンを安く購入できるようにしてやったのに、さらに値引き交渉をするとは、全く顔をつぶされてしまった。
[顔が広い]
多方面に知り合いが多いこと。ホームページを通じていろいろな分野に知り合いができ、少しは顔が広くなったと思われる。
[蝸牛(かぎゅう)角上(かくじょう)の戦い]
カタツムリの角の上のようなせまいところで争うというつまらない争い。
[学者の取った天下なし]
以前、どこかの知事に学者がいたような。ことわざ、必ずしも正しからずの典型か。
[学(がく)に老若(ろうにゃく)の区別なし]
学問は、上達したものが偉いのであって、師と仰ぐ人に年齢の上下はないということ。鉄人が師と仰ぐ先生も鉄人より一回り近く若い。
[陰口(かげぐち)を叩(たた)く]
本人のいないところでその人の悪口を言うこと。陰口を叩くのは良くないからといって、本人に直接いうのも逆効果の場合も多い。
[稼(かせ)ぐに追いつく貧乏なし]
一所懸命働けば、貧乏で苦しむことはないということ。貧乏ひまなしというが、稼ぐに追いつく貧乏なしともいう、どちらが真実であろうか。
[固唾(かたず)を呑(の)む]
ことのなりゆきを、息をこらして見守ること。最近テレビを見ないせいか、固唾を呑んで見守ったというような記憶がない。
[型(かた)にはまる]
決まりきったやり方や形式ばかりで面白みがないこと。型にはまった辞典ばかりだといわれないように、コンテンツに気を使っているつもりである。
[片腹(かたはら)痛い]
あまりにばかばかしく、まともに取りあおうと思わないこと。そのぐらいの実力で鉄人に挑戦するとは片腹痛いなどとはいわないので、どんどん挑戦してほしい。
[火中(かちゅう)の栗を拾う]
自分の得にならないのに、非常に危ないことや骨の折れることをすること。火中の栗を拾う意気込みでもっと大きく完成度の高い出版物にも負けないぐらいの辞典ページを作らなければ、インターネット上の辞典はなかなかいいものにならないと思う。
[河童(かっぱ)の寒稽古(かんげいこ)]
苦痛を与えようとしても相手が何とも感じないこと。鉄人に難しい漢字の話をしても、河童の寒稽古で、喜びこそすれ、何の苦痛でもない。
[勝てば官軍(かんぐん)負ければ賊軍(ぞくぐん)]
正義は、ことの正邪ではなく、勝つかまけるかによって決まるものであり、何といってみても負けた側には正義はないということ。ネット世界の正義は、アクセス数にあり、その数が勝てば官軍負ければ賊軍のように思っている人も多い。公序良俗など基準にないと思っている人が大手を振って歩いているのでは、ネットの正常な発展は望めない。
[株(かぶ)が上がる]
評判が良くなること。雑誌でよい評価を受けると株が上がるので、ホームページの雑誌掲載は本当にありがたい。
[果報(かほう)は寝て待て]
幸運を引き込むのは、人の力ではどうにもならないので、焦らず待っているしかないということ。時の運不運というのもあるが、果報は寝て待てとばかりに何もしないのも良くない。
[神は非礼を受けず]
神は礼にはずれた願い事は受け入れないということ。神は非礼を受けずというが、殺人犯や強姦魔がなかなか捕まらないことがあるのはなぜだろう。
[鴨(かも)が葱(ねぎ)を背負(しょ)ってくる]
うまい話に、さらにうまい話が重なって、ますます都合がよいこと。ホームページを紹介してくれるというので、雑誌を見てみると、ほかのページの倍もスペースをとって解説してくれている上にキャッチもなかなかいい。これを鴨が葱を背負ってくるといわないで何というのだろう。
[下問を恥じず]
自分より目下の者に対して教えを請うことを恥としないこと。国などが行う諮問というものも実はこれに当たる。しかし、教えを請えば相手は、師になるのであるから、目下といっては失礼に当たると思われる。
[痒(かゆ)いところに手が届く]
細かいところまで心配りがされ、世話が行き届いていること。掲示板で質問を受けるようにしている鉄人も、なるべく早く回答できてこそ、痒いところに手が届くと言える。
[枯れ木も山の賑(にぎ)わい]
つまらない物でもないよりはましだということ。鉄人も、枯れ木も山の賑わいとばかりに、たくさんの小辞典を作っている。
[彼も人なり我も人なり]
努力さえすれば他人にできることは自分にもできるということ。彼も人なり我も人なりというが、人それぞれ向き不向きがあるので、他人より優れた部分に力を入れた方が、人のためになると思われる。
[可愛い子には灸(きゅう)をすえ、憎い子には砂糖をやれ]
可愛いく思う子ほど厳しく育て立派な人になって貰いたいと思う。どうでもいい子は甘やかせて使いものにならない子になっても何とも思わないという意味だろう。憎い子は甘いものをたくさん食べさせ、肥満にし、醜くまた糖尿病などの成人病にさせてやろうというのではない。あくまで可愛い子ほどきちんとしつけなければならないということをいうための対句にすぎない。
[可愛さ余って憎さが百倍]
かわいがっていた相手ほど、裏切られたという感情を持って憎んだら、きりがないほど憎んでしまうということ。
[閑古鳥(かんこどり)が鳴く]
商売などがはやらないという意味だということは当然ご存知ですよね。では、閑古鳥って、どんな鳥かといえば、「カッコウ」のことなんだけどご存知でしたか。
[勘定(かんじょう)あって銭(ぜに)足(た)らず]
計算上収支はあっているが、現実にある現金は足りないということから、理論と実際が一致しないことをいう。最先端の科学では、勘定あって銭足らずどころか、大胆にたてたはずの仮説を現実が大きくこえている場合も多いという。
[肝胆(かんたん)相(あい)照(て)らす]
深く理解し合って、心の底をうち明けて話すことができること。また、その相手。一般にはなかなか難しいことだけれども、同じような病気を持っている人、同じく逆境にある人などは、比較的このような仲になりやすいのではないだろうか。同類相哀れんで、肝胆相照らす仲になるということか。
[邯鄲(かんたん)の夢]
「廬生という青年が趙の都邯鄲で仙人から栄華が意のままになるという枕を借り、うたた寝をする間に、栄華の思いを叶えることができたが、夢からさめると、炊きかけていた粟がまだ炊けていなかった。」栄華ははかないものだという『枕中記』の故事は、あまりに有名である。退職したら、何も残らなかったということの無いように、仕事以外にも趣味でも人脈を作っておいてはいかがでしょうか。
[眼中(がんちゅう)にない]
「目もくれない。問題にしない。」という意味だが、実社会では、こちらのことなど眼中にないと思われる方からメールをいただいたりすることがある。中には返信メールもあるが、有名フォントデザイナーの方からメールをいただいたときは本当にびっくりしたものだった。『和製漢字の辞典』の公開の影響はほんとに計り知れないものだ。
[眼力(がんりき)]
評価・鑑別などをする能力。骨董品購入で損をしないためには、最終的には自分の眼力を鍛えるしかない。
[棺(かん)を蓋(おお)いて事定まる]
人の価値は、死んだ後に初めて定まるもので、生きている間は、決定的な判断はできないということ。人間楽しく生きるも大切だが、棺を蓋いて事定まるということにも配慮して生きなければならない。
[聞いて極楽(ごくらく)見て地獄(じごく)]
人に聞くのと実際に自分で見るのでは、雲泥の差があるということ。就職説明会では良いことばかりいっていたが、入社してみると、聞いて極楽見て地獄で、早々にやめてしまう新入社員も多いという。
[機運(きうん)が熟(じゅく)す]
物事をなすのに適した時機が到来すること。機運が熟しているのかどうかなかなか難しいことの方が多い。良い結果がでてみて、機運が熟していたのだろうとわかることの方が多いと思われる。
[気が置(お)けない]
気を使わなくて良く、遠慮がいらないこと。反対に気が許せないという意味に誤って使われることも多い。気が置ける人は隣にいるだけで気疲れするが、気の置けない友と話していると時間がたつのを忘れてしまうほどである。
[気が練(ね)れる]
精神鍛錬が良くできていて、気持ちに落ち着きがあること。鉄人があれこれ新しい辞典に手を出しては中途半端なものばかり作っているのは、あまりに気が練れてなさ過ぎることが原因だろう。
[庇(きず)に玉]
なんか変だと思ったら、「玉に庇」のモジリでした。意味も反対で、欠点だらけで、良い点は稀にしかないこと。「玉」は「王」の真ん中より下に「点」を打って、「王」と区別したものだけど、「王」の真ん中より上に「点」を打つと、「庇のある玉」という意味の字になるってご存知でしたか。
[狐(きつね)と狸(たぬき)]
「狐と狸の化かし合い」というように、どちらもくせ者同士という意味。狸は、非常に驚いたことがあると、仮死状態になり、危機が去るとむっくり起きて逃げ去るという。これから狸寝入りという言葉ができたというが、狐はなぜ人をだますといわれるのか不思議である。どちらにしても狸や狐にだまされたという人は聞いたことがないが、人にだまされたという話はよく聞く。人間こそクセモノであるのにひどい話である。
[木で鼻(はな)をくくる]
対応がひどく無愛想で、素っ気ないこと。人の話を聞こうとしない客には、木で鼻をくくったような対応がちょうど良いかも知れないが、度を越してはいけない。
[木に餅(もち)がなる]
話があまりにもうますぎること。11月から2月まで、鉄人のi-modeページが18回も雑誌に掲載されたが、3月に入ってから、掲載の話が来なくなった。やはり、木に餅がなるような話は、長続きしないものだ。
[木(き)に縁(よ)りて魚(うお)を求(もと)む]
典拠は、『孟子』。方法や手段が誤っていると、目的を達成できないということ。このことわざの作者は、「木登魚(キノボリウオ)」の存在を知らなかったので、後世に無知をさらした結果になってしまったなどと揚げ足取りをするのは止めよう。何せ相手は、孟子ですよ。
[気(き)の利(き)いた化(ば)け物(もの)は引(ひ)っ込(こ)む時分(じぶん)]
長居している人や、なかなか退かない人をそしって言う言葉。あんまり長居していると、気の利いた化け物は引っ込む時分といわれてしまいかねないが、あまり早々に引き上げても何か不満があったように思われないだろうかと考えてしまう。お呼ばれの引き上げ時は難しいものだ。
[肝(きも)に銘(めい)じる]
心に深くとどめて忘れないようにすること。わかりやすい解説を肝に銘じて辞典を作っている。
[九牛(きゅうぎゅう)の一毛(いちもう)]
きわめて多くの中のごくわずかで、取るに足りないものであること。九牛の一毛に過ぎない者がのし上がるには、それ相当の手腕が必要である。
[九死(きゅうし)に一生(いっしょう)を得(え)る]
ほとんど死にかけていた病人が助かったり、絶体絶命の窮地から逃れたりすること。劇症肝炎で医者に匙を投げられていた知人が、九死に一生を得て退院してきた。
[急転直下(きゅうてんちょっか)]
事態が急変して解決に向かうこと。時効間近を迎えていた松山の殺人事件は、通報により犯人が逮捕され、急転直下解決に到った。
[窮余(きゅうよ)の一策(いっさく)]
困り果てたあげくに、苦し紛れに思いついた解決策のこと。犯人逮捕に行き詰まった警察は、窮余の一策として、賞金をだすことにした。
[清水(きよみず)の舞台(ぶたい)から飛び降りる]
思い切った行動や決断をすること。清水の舞台から飛び降りるつもりで、ノートパソコンを購入したが、使い慣れたデスクトップばかり使っている。
[きりんも老いては駑馬(どば)に劣る]
「きりん」といっても「ジラフ」や聖獣「麒麟」ではなく、1日1,000里(500kmぐらい)を走るという名馬のことで、老いれば駄馬にも劣るようになるということ。転じて偉人・名人も老いれば凡人に劣るという意味に使われる。
[木を見て森を見ず]
細部にこだわって、全体を見失うこと。一つ一つのことわざの選定や解説にのみ意を用いていると、木を見て守を見ずで全体にバランスの悪い辞典になってしまう。
[愚公(ぐこう)山を移す]
何事も辛抱強く努力すれば、必ず成功するということ。鉄人のことわざ辞典も愚公山を移すの気概で少しずつ役に立つものにしていこうと思っている。
[臭(くさ)いものにはふたをせよ]
「他人の悪事などあばきたてると面倒なのでそっとしておく。」と解説する辞典があるが不十分である。全く無関係の他人ではなく、親族・部下・生徒など関わりのある人で、明るみにでると対応に追われたり、何らかの影響が自分にもかかってくる関係者である場合にのみ使われるものである。
[薬(くすり)も過(す)ぎれば毒(どく)となる]
どんな良いものでも度を越すとかえって害になるということ。これは体にいいからと言われるものをそのまま信じて全て食べていたら、薬も過ぎれば毒となるで、たいへん太ってしまった。
[薬(くすり)より養生(ようじょう)]
薬をきちんと飲むことは当然大切であるが、人間に本来備わっている自然治癒力を高めて病気を治すためには、薬は手助けに過ぎず、養生が大切であるということ。薬より養生というが、こうたびたび薬の飲み忘れがあったのでは、治る病気も治らなくなってしまう。
[口が奢(おご)る]
美食になれすぎて、普通の料理では不満になること。口が奢ると余分な出費がかさむばかりでなく、病気にもなりやすくなる。
[口車(くちぐるま)に乗(の)る]
できすぎたうまい話にだまされること。ネット上では、相手の表情もわからないのだから、口車に乗って損をしたということの無いように気をつけなければならない。
[口幅(くちはば)ったい]
発言の内容が分不相応であること。口幅ったいようではありますが、ネット上のことわざ辞典で、出版されたことわざ辞典に取ってかわれるほどのものはないように思います。
[唇(くちびる)をかむ]
悔しさや怒りをぐっと抑えること。このことわざ辞典の方が優っているはずなのにはやらないと、唇をかむ思いである。
[首を長くする]
待ちわびること。何回雑誌に載ってもやはり首を長くして雑誌発売日を待っている。
[君子危(くんしあや)うきに近寄(ちかよ)らず]
人格の高い人は、好んで危険に身をさらしたりしないということ。ひったくり犯を、義を見てせざるは勇なきなりと追っかけた人々も、犯人が発砲すると、君子危うきに近寄らずと逃げ帰ってきた。
[経験は馬鹿をも賢くする]
どんな馬鹿でも経験を積むと賢くなることから、経験を積むことの大切さをいう。『和製漢字の辞典』の編集の中で、経験は馬鹿をも賢くするということが実感できた。
[鶏口(けいこう)となるも牛後(ぎゅうご)となるなかれ]
どんな小さい団体であってもトップになる方が、大きな団体の歯車的存在になるよりはよいということ。鶏口となるも牛後となるなかれと、ベンチャーを興したが、倒産して何もなくしてしまった。
[啓発(けいはつ)]
無知な人に新しい知識を教えて、目を開かせて導くこと。鉄人の辞典には、人を啓発しようなどとそんな不遜な考えはない。
[桂馬(けいま)の高上がり]
実力もないのに、身分不相応な地位にあがること。
[怪我(けが)の功名]
やり損なったと思ったことから思いも寄らない良い結果が生まれること。付箋紙は、接着剤の研究からできた怪我の功名による発明品であることは有名である。ただ、この接着剤ができてから十年以上もして付箋紙が考えられたというのはあまり有名でないかも知れない。
[毛嫌(けぎらい)いする]
はっきりとした理由もなく、感情的に嫌うこと。食べ物を食べることなく毛嫌いすることを食わず嫌いという。
[健康(けんこう)は富(とみ)に優(まさ)る]
どれだけ財産があることよりも健康が大事であるということ。もっとも、病気になってしまえば、富がある方がいいのは当然のことである。
[健全(けんぜん)なる精神(せいしん)は健全(けんぜん)なる身体(しんたい)に宿(やど)る]
肉体が健康なら、自ずと精神も健康になるということ。健康ではあるが、富も名声もないという人を慰める意味も持つのだろうが、病気の人や障害がある人を差別しているようで、鉄人が最も嫌いなことわざである。
[光陰(こういん)矢(や)の如(ごと)し]
月日の過ぎるのは、早いというたとえ。光陰矢の如しで、『和製漢字の辞典』の編集をはじめて10年近くになった。
[口角(こうかく)泡(あわ)を飛(と)ばす]
激しく議論をすること。最近、口角泡を飛ばすということがなくなったが、鉄人が丸くなったのだろうか、つまらぬ人間になったのだろうか、おそらく後者であろう。
[巧言令色(こうげんれいしょく)鮮(すくな)し仁(じん)]
出典は、『論語』。言葉巧みで、愛想ばかり良いものは、人徳に欠け、信用できないということ。鉄人は、巧言令色といったことができないので、人徳が少ないといわれても、少しは見習いたいと思う。
[巧遅(こうち)は拙速(せっそく)に如(し)かず]
上手で遅いことより、できが良くなくても速いほうがよいということ。鉄人など遅筆で、できも悪い。取るとこなしといわれそうだ。
[効能(こうのう)書(が)きの読めぬところに効能あり]
薬の効能書きは難しいが、そのことが、かえって効き目があるように感じられることから、物事はよくわからない方が、かえってありがたみがあるように感じられること。経文は、効能書きの読めぬところに効能ありなのかもしれないが、あんなわけの分からぬものでは成仏できぬと思うのは鉄人ばかりではなかろう。
[蝙蝠(こうもり)も鳥のうち]
哺乳動物である蝙蝠も、飛べるからには鳥の仲間になれるという意味から、取るに足らないつまらないものでも仲間のうちであるということ。蝙蝠も鳥のうちとは、鉄人の辞典も辞書のうちというようなものか。
[古希(こき)]
唐代の詩人杜甫が、人生七十年古来稀也と詠じた事が典拠であるが、現代とは斯くも感覚が違うものかと感じられる。我々が七十歳になった頃には年寄りの内に考えられていないのではと思ってしまう。
[国色]
「色」とは美女のこと。国中で一番、言い換えれば絶世の美女のこと。傾城の美女とか、傾国の美女とか言うけれど、国や城を傾けないにこしたことはない。
[虚仮(こけ)も一心(いっしん)]
愚か者でも、ただ一つのことを心を込めてやれば、他の人にまけないすばらしいこともできるということ。鉄人の『和製漢字の辞典』のことを言われているようだ。
[志あれば事ついに成る]
どんな困難なことでも、やり遂げようとする固い意志があれば、結局はは成就するということ。鉄人もこの気概で、各辞典づくりに邁進しているつもりである。
[こすい子(こ)身(み)を持たぬ]
わるがしこい、また立ち回りのうまい者は、初めはうまくいっても、いずれは失敗して破滅するという意味。何ごともこつこつやるものが最後には勝つということか。
[五臓六腑(ごぞうろっぷ)に沁(し)みわたる]
身にしみて深く感じる。腹にしみるという意味だが、酒が好きな人にとっては、酒が程良く回って、酔って気分が良くなることをいうようだ。
[東風(こち)雲に嘘(うそ)なし]
東風雲が動くと、たいてい風が吹くようになるということだが、凧をあげるのでもなければ、あまりありがたいことではないと思われる。
[凝(こ)っては思案(しあん)に余(あま)る]
物事にあまりに熱中しすぎて、冷静な判断ができなくなること。鉄人も和製漢字の研究に凝っては思案に困る状態になり、ことわざの辞典を作り始めた。このような使い方で正しいのであろうか。
[事挙(ことあ)げせぬ国(くに)]
典拠は、万葉集の詠み人知らず。あれこれと言葉で言い争わない平穏な国という意味で日本の美称だが、外国人からは、「日本人は、はっきり言わない。よくわからない。」といわれる原因でもあるのだろう。
[事に敏にして言に慎む]
出典は、『論語』。すべきことを速やかに行い、いらぬ事は言わないということ。不言実行とは微妙に違うように思われるが、似た意味のことわざではある。
[事の任と為(な)ること無かれ]
出典は、『荘子』。積極的な地位に立って、事に当たるのはいけないということ。時と場合によれば、そうかもしれないが、そのような人ばかりであると、社会は成り立たない。やはり、『荘子』は、極端に過ぎる。
[言葉が多きは品(ひん)少なし]
おしゃべりは、軽薄で品に欠けるといっているのだが、雄弁な人・能弁な人に批判されるのが困る人が使うことわざである。
[言葉に甘える]
人の好意ある申し出に素直に従うことだが、社交辞令なのに困ったなという風にみてとれたら、前言を翻し、やんわりと断ろう。
[言葉は心の使い]
心に思っていることは自然と言葉にでるものであるということ。言葉一つで人の心を温めたり、寒々とさせたりするものだから、言葉づかいには気をつけよう。
[小股(こまた)の切れ上がった]
足が長くすらりとして、たった姿がきりりと引き締まった女性を形容する言葉。「小股」の「こ」は単なる接頭語で、小股という部位が特別にあるわけではない。
[之(これ)を好む者は、之を楽しむ者に如(し)かず]
出典は『論語』。何事も、それを好むというだけでは、それを楽しむという人には及ばないということ。ホームページを見ることを好むだけの者は、ホームページを作る楽しみを知っている者に及ばないのは当然である。
[之(これ)を知る者は、之を好む者に如(し)かず]
これも『論語』が出典。何事も、それを知っているというだけでは、それを好むというような人の力には及ばないということ。ホームページというものがあるという事を知っているだけの者は、ホームページを見ることが好きな者には及ばないのは当然である。
【さ行】
[材大(ざいだい)なれば用を為(な)し難(がた)し]
あまりに偉大すぎる人物や志の高すぎる人物はかえって社会に受け入れられにくいということ。あくまで、不遇な知人に使うべきであって、自分を慰めるのに使うのはあまりに情けない。
[竿竹(さおだけ)で星を打つ]
あまりに不可能なことをあえてする愚かさをいうが、どこかの国で、戦時中、星ならぬ敵飛行機を突こうとしたことがあったが、愚かなことでいえば、同じようなものである。
[先(さき)んずれば人を制す]
何事も人より先に行えば、有利な立場に立てるということ。先んずれば人を制すというが、先に立った人を追い越そうとすると何倍もの努力をしてもなかなか難しいものだ。
[桜伐(き)る馬鹿(ばか)梅伐らぬ馬鹿]
「桜は枝を切るとそこから腐りやすいので切ってはいけない。梅は切らないと翌年花が咲かなくなるので、枝を切らなければならない。」という意味だそうだ。アメリカ初代大統領も桜を切ったが、枝ではなく、幹を切ったので馬鹿ではなく大統領になれたという話ではない。剪定の要不要をわかりやすくいったにすぎない。
[酒は天の美禄(びろく)]
天から与えられたすばらしい賜であると、酒を賛美する言葉。鉄人は全くの下戸であるが、普段まじめな人が酔っぱらって陽気にしているのを見ると、やはり酒は天の美禄なのだと思ってしまう。
[沙汰(さた)の限(かぎ)り]
良いか悪いか当までもなく、もってのほかの悪事であるということ。無差別殺人など沙汰の限りである。
[座右(ざゆう)の銘(めい)]
常に自分の戒めや心情とする言葉。鉄人には、座右の明などという大げさな物はなく、ただ少しでも役に立つ辞典を作ろうとしているのみである。
[皿(さら)嘗(な)めた猫が科(とが)を負(お)う]
魚を食べた猫が逃げてしまい、その後で皿を嘗めただけの猫が捕まるように、主犯の大物が捕まらず、小物ばかりが捕まること。贈収賄事件では、皿嘗めた猫が科を負うといわんばかりに小物が逮捕されて終わってしまうことになりかねない。
[猿(さる)の水練(すいれん)魚(うお)の木登(きのぼ)り]
はなはだ見当違いであることをいう。ニホンザルの小猿は泳ぐし、キノボリウオというのもいるじゃないかというと、一言居士だといわれそうである。
[去(さ)るものは日々(ひび)に疎(うと)し]
親しかった人も遠く離れると疎遠になり、亡くなった人は、月日がたつにつれて、次第に忘れられるものであるということ。
[三人よれば文殊(もんじゅ)の知恵]
凡人でも三人よれば、優れた知恵がでるものだということ。衆愚政治なんて言葉もあるぐらいだから、必ずしもそうとは限らない。かといってワンマンが良いってわけでもない。
[三度目(さんどめ)の正直(しょうじき)]
一度目・二度目とだめでも、たいていのことは三度目はうまくいくことだということ。一度目・二度目のi-modeページがうまくいっている鉄人は、三度目となる今度ばかりは逆にだめなのであろうか。
[思案(しあん)に余(あま)る]
いくら考えても良い考えが浮かばないこと。鉄人は、ホームページのコンテンツなら、次から次に浮かんできて思案に余ることはないが、もっと大事なことについては全くだめで、いつも思案に余ってばかりいる。
[塩を火に入れる]
出典は、『水滸伝』。勢いのあるものにさらに勢いを加えること。しかし、火に油を注ぐほどではないように思える。
[地金(じがね)を現(あら)わす]
本性や本心を現してしまうこと。鉄人も『和製漢字の辞典』などというまじめくさった辞典を作っているかと思うと、『雑学の鉄人』などというページを作って、地金を現しているといわれそうだ。
[自家薬籠中(じかやくろうちゅう)の物]
出典は、『唐書』。自分の薬箱の中にある薬のように、自分の思うままになる物。また、そのようになるまで高めた自分の技術。鉄人の辞典は、自家薬籠中の物というまでにはなっていない。まだまだ、研鑽をせねばと思っている。
[児戯(じぎ)に等しい]
子供の戯れと同じく、とるに足りないということ。鉄人の辞典も児戯に等しいといわれるものが多いのではと心配している。
[地獄の沙汰(さた)も金次第(かねしだい)]
金さえあれば、地獄の裁きも手心を加えてもらえるということ。現世の裁判官に賄賂を送るような不届きものが出てこなければと思う次第である。
[しこりを残す]
後に感情的にすっきりしないものを残すこと。掲示板への書き込みでも、しこりを残すということはある。自分に原因があると思うときは、すぐに謝りの書き込みを行おう。
[舌(した)の根(ね)の乾(かわ)かぬうちに]
発言してほとんど時間のたたないうちにという意味。舌の根が乾かぬうちに違うことをいわれたのでは、どれが本当か見当がつかない。
[尻尾(しっぽ)を巻(ま)く]
相手の強さに屈して退散する。剣豪達は、立ち会ったが最後、尻尾を巻いて逃げることも許されなかった。
[師(し)には従(したが)え]
師と仰ぐ人の言行を見習い、その教えにすなおに従うのが勉学の道であるということ。師を選べるのであれば、慎重に選ばなければならない。間違っても、鉄人などを師と呼んではいけない。
[死ぬる子は眉目(みめ)よし]
早く死ぬような子に限って器量がよいものであるということ。美人薄命に近いことわざか。どんな器量よしでも年には勝てないし、鬼も十八ともいう。若死にした子を惜しんでいうことわざには違いない。
[渋皮(しぶかわ)が剥(む)ける]
女性があか抜けして美しくなること。田舎にいるせいか鉄人はそういった女性にあったことがないといったら、おまえもあか抜けしてないといわれそう。
[自慢(じまん)高慢(こうまん)馬鹿(ばか)のうち]
誰でも多少は、うぬぼれがあり、自分で自分をほめすぎたり、自信過剰となって人を見下したりするような態度をとるのは見苦しく、それをあざけって言う言葉。
[自明(じめい)の理(り)]
説明するまでもない明白な道理のこと。鉄人も道理についてではないので、自明の理とはいえないが、自明のこととして解説を省略することがある。
[耳目(じもく)を集める]
注目を集め、噂の的になること。世間の耳目を集めるほどではなくても、もう少しはやるページにしたいものだと思っている。
[釈迦(しゃか)に説法(せっぽう)]
釈迦に仏法を説くように、その分野にに精通している人にものを教えようとすることは愚かであるということ。鉄人に、国字を教えようとするのは、釈迦に説法ではないので、気軽にご教示賜りたい。
[釈迦(しゃか)に提婆(だいば)]
提婆は、釈迦の法敵。どんな優れた人にでも敵はいるということ。鉄人に敵だらけなのは当たり前ということになる。
[十目(じゅうもく)の見るところ十指(じっし)の指さすところ]
典拠は、『礼記』。大勢の人間が見て間違いの内容であればそれは確かなものであるということ。『和製漢字の辞典』は、出版予定の物をそのまま公開したものだが、十目の見るところ十指の指さすところそれは厳なるかなということがそのままの目的である。端的に言えば、多くの人にあら探しをして貰って出版の辞典ではより良いものにしたいということである。
[株(しゅ)を守って兎(うさぎ)を待つ]
出典は、『韓非子』。旧来の方法・風習などにとらわれて新しい考え方が理解できず、応用も利かないこと。
[上戸(じょうこ)は毒を知らず下戸(げこ)は薬を知らず]
酒が飲める上戸の人は、つい害毒になることを忘れ飲み過ぎ、下戸は酒の効用を知らず飲もうとしないということ。上戸は毒を知らず下戸は薬を知らずというが、いくら飲んでもほろ酔いにもならずビールは水と変わらないという極端に強い人、反対に鉄人のようにビールを飲むのではなく嘗めただけで二日酔いになるという極端に弱い人は、このことわざの対象外であろう。
[上手は下手の見本下手は上手の見本]
下手な人が上手な人を手本にするのは、当然のことだが、上手な人にとっても下手な人のやり方が参考になったり、反省の材料になったりするということ。鉄人のサイトも下手は上手の見本になるのかなと思うと気が楽である。
[冗談(じょうだん)にもほどがある]
冗談にも程度があり、度をこすものではないという意味と、ひどい冗談を言われて冗談を言うのもいい加減にしてくれと起こっていう意味とがある。冗談にもほどがあるというが、相手が最もいやがる部分を冗談混じりにいわない限り、友人関係が壊れたりはしないものである。
[小人(しょうにん)閑居(かんきょ)して不善(ふぜん)をなす]
徳や教養のない人は、暇だとろくな事をしないという意味。鉄人も品性卑しからずとは言えないので、小人閑居して不善をなすといわれないよう、次々いろいろな辞典を作っている。
[勝負(しょうぶ)は時(とき)の運(うん)]
勝ち負けはそのときの運で決まるのでやってみなければわからないということ。これは、強者に対しては慢心を戒める意味があり、弱者に対しては勇気を奮い立たせる意味があるのだろうか。時の運であるから勝とうとする努力は必要ないなどと取るべきではない。
[食指(しょくし)が動く]
あることをしたいという気持ちが起こる。コンテンツの整備に努めなくてはならないのに新しいコンテンツに食指が動いてしまう。
[知(し)らぬが仏(ほとけ)]
何も知らなければ、何の心配も入らないということ。心配事がないため仏のように穏やかな顔をしているという意味なのだろう。
[死を賭(と)す]
命懸けでやるということ。『和製漢字の辞典』は、死を賭す覚悟でなければ、完成はおぼつかないと思っている。
[人事(じんじ)を尽(つ)くして天命(てんめい)を待(ま)つ]
できうる限りの努力を重ね尽くした後は、運を天に任せるしかないという意味。いいかげんなレベルで使うべき事ではなく、万が一にも失敗はあり得ないレベルまできちんとやったが、人間のやることであるから100パーセントではないという意味で使われるべきである。鉄人はまだまだ努力が足りず、人事を尽くして天命を待つなどとは言えるレベルにない。
[人心面(じんしんめん)の如(ごと)し]
典拠は、『春秋左氏伝』。一人一人顔が違うように心も同じではないということ。実世界では当然のこと、人心面の如しというがその顔すら見えないネット世界を生き抜くこともまた難しいことである。
[人生(じんせい)意気(いき)に感ず]
自分を信頼してくれる相手の心意気や心情に感激して行動するということ。鉄人も先生とか鉄人様とかいわれて質問を受けると、人生意気に感じて、一所懸命時間も忘れ、回答にいそしんでしまうこともある。
[仁(じん)を仮(か)る]
典拠は、『孟子』。うわべだけ仁政をよそおうこと。覇者の政治をいう。仁を仮るということがあるが、権力の座に着くことは並大抵のことではなく、そんなきれい事はいっていられない。うわべだけでも仁政をよそおう気がある政治家はまだ良い方だと言えよう。
[好きこそ物の上手なれ]
好きであることが、物の上手になる第一要素であるということだろう。いやいややっていたのであればなかなか上達はしない。下手の横好きなどといわれながらも一所懸命やっていればいずれは、物の上手といわれるようになるということだろう。
[過(す)ぎたるはなお及(およ)ばざるが如(ごと)し]
度をこすと、足りないのと同じく良くないということ。これは使い方を誤ると、一所懸命やっているもののじゃまになりかねないので、使用場面がなかなか難しそうな諺である。
[好(す)きには身(み)をやつす]
好きなことのためには身が細るほどの苦労もいとわないということ。とはいっても辞書づくりは、骨の折れる仕事であり、労多くして益少なきものでもある。
[空(す)き腹(ばら)にまずい物なし]
腹が空いているときは、何でもおいしく感じられるということ。空き腹にまずいものなしとはいうが、少々の空き腹では嫌いな物まで食べる気にはならない。
[雀(すずめ)の涙(なみだ)]
本当に少ないという意味で、「不況で中小企業のボーナスは雀の涙ぐらいのものである」などと使うが、「蚊の涙」なんていうのもあるというのは知ってましたか。
[住(す)めば都(みやこ)]
どんな田舎でも、長く住めば住み良いところとなるということ。鉄人は、やはり田舎になじめないし、研究にとって不便である。この諺には賛同しかねる。
[精神一到(せいしんいっとう)何事(なにごと)か成(な)らざらん]
典拠は、『朱子語類』。精神を集中して物事に当たれば、どんなことでも成就できるということ。精神一到何事か成らざらんとはいうものの、腹が減っては戦ができぬとも言う。精神論も大事かも知れないが、ある程度物質的に充足することも大事である。
[聖人に夢なし]
聖人は悟りの境地にあるから、夢など見ないで安眠することをいうそうだ。最近の研究では、夢は記憶を整理し、残しておくべき記憶を形成するのに役立っているというから、このことわざは科学的知識の低い時代の非科学的見地からなされたものといえる。
[聖人は名なし]
『荘子』が典拠。聖人は、いくら功績をあげても、それに伴う名誉を求めることがないので、自然名を残すことがないということ。功績を残せば、本人が名誉を求めなくても自然と名は残るものであり、『荘子』のいわんとするところはわかるものの少し極端に過ぎると思われる。
[清濁(せいだく)併(あわ)せ呑(の)む]
綺麗なことも汚いことも、また良いことも悪いことも区別せずに扱える度量の広い人のこと。大人物なのだろうが、一歩間違えば、悪事に身を染めかねない危険な立場であると思われる。
[急(せ)いては事を仕損(しそん)じる]
あんまり焦って急ぐと、失敗することが多いから、急ぐときほど焦らず、落ち着いて行えということ。急いては事を仕損じるとはいうものの、早く人の役に立つ辞典をと思い、未完成のままで公開している。
[銭ある時は鬼をも使う]
金銭さえ持っていれば、どんな人でも使うことができるということ。銭ある時は鬼をも使うというが、鉄人は、貧乏ひまなしの方なので、一度そういった金持ちになってみたいものだ。
[狭(せま)き門]
入学試験・就職試験などで、競争が激しく非常に難関であること。雑誌掲載の狭き門をくぐって鉄人のページが掲載されると、やはり嬉しいものである。
[先見(せんけん)の明(めい)]
先のことを見抜く洞察力のこと。鉄人は、新しいもの好きではあるが、先見の明はない。
[栴檀(せんだん)は二葉(ふたば)より芳(かんば)し]
将来大成する人物は、幼いときから優れたところがあるということ。鉄人もそうだが、ほとんどの人が、このことわざより、大器晩成の方が好きではないだろうか。
[善(ぜん)は急(いそ)げ]
良いことはためらわず、すぐやれという意味。急がば回れともいうし、諺はなかなか難しいものだ。
[千万人と雖(いえど)も吾(われ)往(い)かん]
出典は、『孟子』。自らにやましいところがなければ、千万人の反対があっても臆せずに行くということ。どこかの総理は、やましいところがあったのか、辞意を固めたそうである。
[千里(せんり)の道も一歩より起(お)こる]
大事業も手近なところから始めて、着実にやれば必ず成し遂げられるということ。鉄人の辞典も小さいものが多いが、千里の道も一歩より起こるの精神で、こつこつと大きいものにしていこうと思う。
[創業(そうぎょう)は安く守成(しゅせい)は難(かた)し]
事業を興すことより、守り発展させていく方が困難であるということ。企業を作るというような大きな事ばかりでなく、鉄人の辞書づくりになどについても言えることだ。アイデア次第で始めるが、中断しているものも多いのである。
[そつがない]
やることに手抜かりや無駄がないこと。そつなくやることは難しいことで、鉄人など回り道ばかりしている。
[卒寿(そつじゅ)]
「卒」の略字「卆」が、九十に読めることから、九十歳の賀寿とする。「卒」には死ぬ意味があることから、使うべきでないとする辞書も多い。
[袖(そで)すり合うも他生(たしょう)の縁(えん)]
耳で知った人は、「袖すり合うも多少の縁」だと考えて、袖すり合う程度のことも多少は縁があるのだからと解釈してないだろうか。「他生の縁」とは、前世からの因縁という意味だからたいへんな違いである。鉄人も耳学問は謹まねばと思う今日この頃である。
[其(そ)の独(ひと)りを慎(つつし)む]
出典は、『大学』。人が見ていなくても、良心に恥じない行動をとるということ。其の独りを慎むというのはなかなか難しいことで、小人閑居して不善をなすのが普通ではなかろうか。
[損(そん)して得(とく)取(と)れ]
当面は損をするように見えても、結局は大きな利得をもたらすようなことをやれという意味。鉄人のような小物は、目先のことに目を奪われがちで、なかなかやりにくいことである。
【た行】
[大魚(たいぎょ)は小池(しょうち)に棲(す)まず]
大きな魚が小さな池に棲まないように、大人物はつまらぬ位置であくせく働かないものだという意味。不遇な人を慰めるための諺であろう。
[泰山鳴動(たいざんめいどう)して鼠一匹]
大騒ぎした割にはたいしたことがないこと。「泰山」とは、中国五岳の一であるから、中国のことわざかと思えば、古代ローマの詩人の言葉からできたものとのこと。「大山鳴動して鼠一匹」とも。
[大道(だいどう)廃(すた)れて仁義(じんぎ)あり]
出典は、『老子』。秩序が乱れ、社会が混乱すると、道徳を説く必要が生まれるということ。20世紀末には、世紀末思想を背景に、大道廃れて仁義ありとばかりに、わけの分からない新興宗教がはやった。
[大(だい)の虫(む)を生(い)かして小(しょう)の虫を殺(ころ)す]
大事なものを救うためには、小さなものを犠牲にするのは仕方がないということ。戦前の「お国のために犠牲になれ」というような思想を生み出しそうなことわざである。
[斃(たお)れて後(のち)已(や)む]
出典は、『礼記』。死ぬまで努力を続けるということ。辞書づくりには、斃れて後已むの精神が必要である。
[高嶺(たかね)の花]
取りたくても手の届かない高いところにある花のように、望んでも得られないことについていう。特に恋愛の相手にいうことが多い。
[高(たか)を括(くく)る]
たいしたことないと見くびること。相互リンクを申し込んだが、高を括られたのか、返事がなかった。
[畳(たたみ)の上の水練(すいれん)]
畳の上で水泳の練習をしても役に立たないことから、理論や方法に詳しくても、実際の経験が無く役に立たないこと。畑水練ともいう。鉄人のことわざ解釈も「畳の上の水練」とか「畑水練」といわれないか心配である。
[田作(たづく)りも魚(うお)の中(うち)]
「田作り」の材料となるカタクチイワシのような小さなものでも魚であるということから、弱小のものでも見方に数えられることをいう。田作りも魚の中といわれるぐらいだから、鉄人のことわざ辞典も辞典の中といえるだろう。
[食べてすぐ寝(ね)ると牛になる]
行儀の悪いのを戒める言葉だが、実際は、消化によいそうだ。行儀など考えない牛の方が人間より理にあった行動をしているということか。
[旅(たび)は情(なさ)け人(ひと)は心(こころ)]
旅は人の思いやりがあってこそできるもので、他人への思いやりの心が何より大切であるということ。今と違って昔の旅は、それこそ命懸けといっても良いほど厳しいものであったようだ。
[玉(たま)磨(みが)かざれば宝(たから)とならず]
どんな優れた素質を持っている人でも、自己を錬磨する努力を怠れば、真価を発揮することができないという意味。『礼記』が出典。
[暖(だん)を取(と)る]
体を温めること。ダイオキシン問題がでてから、昔ながらにたき火で暖を取ることができにくくなった。
[知恵(ちえ)多ければ憤(いきどお)り多し]
知恵がつけばつくほど、世の中の矛盾や欠点も見えるようになり、憤慨することも多くなるということ。知恵多ければ憤り多しといっても、憤りをコントロールできる智恵さえあれば何も困ることはない。
[知恵(ちえ)と力(ちから)は重荷(おもに)にならぬ]
智恵も力も多ければ多い程良く、多すぎて困ることはないということ。知恵と力は重荷にならぬというが、智恵多ければ憤り多しで、世の中のことを悲憤し、力に訴えるということになれば、トラブルも増えるというものである。
[知恵(ちえ)は万代(ばんだい)の宝(たから)]
優れた知恵はその人の宝だけではなく、万人のまた後世も万代にもわたる宝となり役立つものだということ。鉄人程度の知識や知恵には使えないことわざだが、万代といえないまでも当代の人たちには役立つような辞典をと心がけているつもりである。
[血(ち)が騒(さわ)ぐ]
じっとしていられないほど興奮すること。10回も雑誌に載っても、掲載誌の発売日が近づくと、血が騒ぐのは押さえられない。
[血のにじむよう]
大変な苦労や努力をする様子。このことわざ辞典の編集ぐらいで、血のにじむような努力をしたなどというと笑い物になってしまう。まだまだ、質・量ともに改善せねばと思う。
[忠言(ちゅうげん)耳に逆(さか)らう]
忠告の言葉はなかなか素直に聞き入れることができないものであるということ。
[塵(ちり)も積もれば山となる]
小さくつまらないものでも、たくさん積み重なると高大なものになる。鉄人のことわざ辞典も、塵も積もれば山となるのことわざのとおり、質量ともに満足のいくものになるまで微力を尽くしたいと思う。
[狆(ちん)がクシャミをしたような]
ひどく醜い人のたとえというが、それでは狆がかわいそうである。狆は愛玩犬なのだから。
[追従(ついしょう)ほどうまき物なし]
追従や世辞ほど快いものはないということ。鉄人も先生とか鉄人様とかいわれると、追従とわかっていても回答に精を出してしまう。
[追従(ついしょう)も世渡(よわた)り]
時には自分が多少卑下して、お追従でことがうまく運ぶなら、それも世渡りの智恵であるということ。いくら追従も世渡りといっても、度が過ぎると、八方美人だからと信用されなくなる。
[付きが回(まわ)る]
幸運がめぐってくること。鉄人シリーズで唯一i-mode版のある『雑学の鉄人』は、八度も雑誌に載っている。『ことわざの鉄人』もi-mode版を作れば、付きが回ってくるかも知れないと思っている。
[月とすっぽん]
ふたつのものがあまりにもかけ離れていて、比べものにならないこと。同じような種類のページを作ったからといって、人気ページにリンクを頼んでも月とすっぽんで無理なのは当然である。
[月にむら雲花に風]
良いことには邪魔が入りやすく、長続きしないということ。
[面(つら)の皮千枚張り]
恥知らずで図々しいこと。また厚顔無恥。そのぐらいじゃなきゃ自分のこと鉄人なんていえません。「面の皮千枚張りで、Yahooに『和製漢字の鉄人』の登録を頼んだ。結果オーライ。」
[手が空(あ・す)く]
仕事などが一段落して、ひまになること。鉄人は、8つもホームページを持っているので、手が空くということがない。
[できぬうちが楽しみ]
物事はでき上がりを期待している間が楽しいということ。ホームページも作成している途中こそが最も楽しいということか。
[手薬練(てぐすね)引く]
あらかじめ用意して今や遅しと待ちかまえること。コンテンツを取りそろえ、手薬練引いてアクセスを待つ。
[梃子(てこ)でも動かない]
どのような説得・手段を講じても、決意・信念などを変えないこと。鉄人には梃子でも動かないというような深い信念がない。
[手強(てごわ)い]
はっきり勝てるかどうかわからないほど強い。ネット界にもことわざ辞典は多く、手強い相手も多い。
[手玉(てだま)に取(と)る]
お手玉をもてあそぶように、思いどおりにあやつること。物を買うときは商売人に手玉に取られないように十分注意すべきである。
[出(で)る杭(くい)は打たれる]
頭角を現すものや出過ぎたまねをするものは、人から憎まれたり、押さえつけられたりするという意味。「出る杭は打たれるというから、出過ぎたまねをしないように」などという人がいれば、こいつは、人の才能をねたみ、押さえつけて、自分の地位の保身をはかっているなと見て十中八九間違いない。鉄人のように対した才能も才覚もない方が、人は安心するものである。
[手を広げる]
範囲を広げていろいろなことをやること。鉄人も七つのページを持っていることは手を広げすぎかとは思っているが、それでも新しいページのアイデアが浮かんできてしまう。
[天(てん)は自(みずか)ら助(たす)くるものを助(たす)く]
天は、人に頼らず自分でこつこつ努力するものに幸せをもたらすということ。天は自ら助くるものを助くとはいうが、検索エンジンを頼らなければ、サイトの繁栄は難しい。
[伝聞(でんぶん)は親(した)しく見るに如(し)かず]
伝え聞くことは、実際に見ることには及ばないということ。百聞は一見に如かずということか。
[天麩羅(てんぷら)に西瓜(すいか)]
食い合わせの一つ。鉄人も両方とも好物であるので、気をつけねばと思う。
[灯台下暗(とうだいもとくら)し]
灯台は、部屋を明るくするが、その下は灯台自信の影で暗いこと。「犯人を捕らえてみれば、所轄警官だった。灯台もと暗しとはこのことだ。」というふうに使う。灯台とは、海を照らす灯台とは違うので、間違わないように。
[豆腐(とうふ)に鎹(かすがい)]
手応えが無く少しの効き目もないこと。少々のコンテンツの改善では、豆腐に鎹で、アクセスは全く増えない。
[玉蜀黍(とうもろこし)に目鼻(めはな)]
トウモロコシに目鼻のつけたようなあばたの多い顔をいう。今ならセクハラといわれそうだ。反対に容貌が美しいことは、同様の表現で、「桃李の顔(とうりのかんばせ)」という。
[桃李(とうり)の顔(かんばせ)]
桃や李の花のように容貌が美しいことをいうが、反対の諺は、「玉蜀黍(とうもろこし)に目鼻」という。
[同類(どうるい)相集(あいあつ)まる]
種類や性質の似たものは、自然と集まって来るという意味だが、出典の『史記』には、「同名相照同類相求」とあり、「同類相求む」の方が出典に従った言い方といえる。
[遠くの親類より近くの他人]
疎遠な親類より親密な他人の方が助けになるということだが、遠近を距離と解釈しているものも多い。それも一理あるが、鉄人は、距離的には遠くの親密な他人が、ネットのおかげでいかに近くの親密な人になったか身にしみてありがたく思っている。
[とかく浮世(うきよ)は色(いろ)と酒(さけ)]
この世の一番の楽しみは、情事と飲酒にあるということだが、両方ともからっきしだめで酒は一滴もという鉄人はどうなるのだろうか。昨今のグルメブームなども「酒」に関連するのだろう。
[時(とき)にあえば鼠(ねずみ)も虎(とら)になる]
良いときにあえば、つまらないものでも出世をしたり、注目されたりすること。「鉄人のページも時にあって鼠が虎になったのだろうか。11月からi-mode対応ページ(和製漢字の辞典・雑学の鉄人)が4ヶ月ほどで18回も雑誌に掲載された。」などと使うのであろうか。
[時(とき)の氏神(うじがみ)]
ちょうどよい時に現れて、その場をまとめてくれる人のこと。「時の氏神かと思えば、混ぜ返したあげく去っていた。時の禍神(まがかみ)だったのだろうか。」などとも使えるか。
[徳ある人は必ず言有り]
人物が立派であると、言葉も立派であるということだが、逆は真ならずで、言葉は立派そうでも人物は立派でない人は本当に多いものである。
[毒にも薬にもならない]
害にならないかわりに役に立つということもない。『雑学の鉄人』は、毒にも薬にもならないコンテンツを集めて、暇つぶしのためのページとして提供している。
[徳を度(はか)り力を量(はか)る]
出典は、『春秋左氏伝』。自分の人格や力量を考えて事に当たること。徳を度り力を量って、作成する辞典を考えるべきであるのに、鉄人は行き当たりばったりに辞典を作っている。
[徳を持って恨みに報(むく)ゆ]
『論語』が出典。恨みを持つものに対しても、徳を持って対するということだが、孔子はこれに反対し、「徳を持って徳に報ゆ」事を説いている。後世編纂されたという『論語』が、真実孔子の言行をあらわしているとすれば、孔子も普通の人のような処もあったのだなと思ってしまう。
[所を異(こと)にする]
今までと場所や立場を入れかえたり別々にしたりすること。鉄人のページを訪問してくれた人のページへ主客所を異にして訪問する。
[床(とこ)を上げる]
寝床をかたづける。特に、病気が良くなって寝ていたふとんをかたづけること。一月以上も床を上げることができなければ、重病の内にはいるだろう。
[年寄(としよ)りの冷(ひ)や水]
冷水を浴びるなど、体力が衰えている年寄りに年不相応なことをすること。いくら辞典の編集に時間がかかるからといって、このことわざ辞典に関していえば、年寄りの冷や水などといわれる年まではかからない。
[隣(となり)の花は赤い]
隣の庭に咲く花が自分の庭に咲く花より赤く美しいという意味から、何でも他人のものがよく見えることをいう。いつも他人のことを気にして、隣の花は赤いでは、自主性もなく、進歩もない。
[途方(とほう)に暮(く)れる]
施すべき手段が無くなった場合などに、どうして良いか迷いぼんやりすること。
[取(と)らずの大関(おおぜき)]
実際に相撲を取って見せたことのない大関の意から、ということなんだけど、相撲の番付も初期の頃は、実力ではなく、いかにも見栄えがする人が大関や関脇を張ったりしたということだ。
[取(と)らぬ狸(たぬき)の皮算用(かわざんよう)]
捕まえていないうちから、何匹捕まえれば、いくら儲かるかと銭勘定すること。将来の収入など不確実な事をあてにしてあれこれ購入計画を立てたりすることに使うが、ネット世界では、収入ならぬカウンターの数字を捕らぬ狸の皮算用して一喜一憂する者も少なくない。
[虎は死して皮を残し人は死して名を残す]
虎は死後その皮を珍重されるが、優れた人物は残した業績によってその名が後世に語り継がれる。鉄人も辞典の発行によりそうありたいと日々がんばっているのであるが、名人ならぬ凡人の身、なかなか事が進まず苦しんでいる。
[鳥なき里の蝙蝠(こうもり)]
優れたものがいないところではつまらないものが幅を利かすということだが、鉄人もそういわれないようにがんばって、ネット上に少しでも役に立つ辞典を残そうと考えている。
[度(ど)を失(うしな)う]
うろたえて取り乱すこと。鉄人は、ネット世界の住人であるので、どんな難問をだされても、度を失うところを見られないですむのは良いことだ。
[ドングリの背比べ]
ぬきんでて優れた者がおらず、甲乙つけがたい事。無料の辞典サイトのことをいわれているようでいるように感じるのは鉄人ばかりであろうか。抜け出したいものである。
[鳶(とんび)が鷹(たか)を生(う)む]
平凡な親から優れた子供が産まれることをいう。蛙の子は蛙が普通で、鳶が鷹を生むなどということは稀にしかない。
【な行】
[無い袖(そで)は振(ふ)れない]
なんとかしてやりたいとおもっても、お金や力が無く、どうにもできないこと。鉄人などと名乗っていると、そんな難しいことをいわれても、ない袖は振れないなどとは言えない。
[長口上(ながこうじょう)は欠伸(あくび)の種]
とりとめのない長い話は、相手が退屈するばかりだということ。鉄人のことわざ辞典の解説も長口上は欠伸の種といわれそうだ。
[名(な)が通(とお)る]
評判が世間に知れ渡ること。鉄人の『和製漢字の辞典』もその世界ではそこそこのものであると思うが、世間一般に知れ渡るというにはほど遠いものがある。
[流れに棹(さお)さす]
好都合なことが重なり、物事が順調に進むこと。『雑学の鉄人』は単に雑学を寄せ集めただけのページであるのに、i-mode版として作ったためか、時勢に乗り、流れに棹さして10回も雑誌に掲載されることになった。
[情(なさ)けは人のためならず]
情けは人のためでなく、巡り巡って自分のためになるのだから、人には情けを掛けるものであるという意味。勘違いして、情けは人のためにならないから、厳しくしなければならないなどと考えている上司がいれば、信用しない方が良い。
[梨(なし)の礫(つぶて)]
全く返事が返ってこないこと。質問に対する回答をしても梨の礫の人がある。礼を言ってほしいのではないが、回答が役に立ったかどうかぐらい聞かせてもらいたいものである。
[為(な)せば成(な)る]
その気になって一所懸命やればできないことはないということ。為せば成るの精神でがんばった結果、『和製漢字の辞典』は、出版の了解を取り付けた。
[名にし負う]
有名なものがその評判どおりであるということ。鉄人も名にし負うという評判の辞典サイトを作りたいものだと思っている。
[名を残す]
死んだ後、世の中の人々によい評判を残すこと。鉄人も辞典編修で名を残したいものだと考えている。
[何でも来いに名人なし]
何でもできるという人には、一芸に秀でた名人はいないものだということ。何でも来いに名人なしというが、鉄人は辞典しか作れないが名人ではない。
[匂い松茸味シメジ]
キノコの中で、匂いは松茸が、味はシメジが一番良いということ。匂い松茸味シメジというが、松茸は味もなかなかのものである。
[二階から目薬]
思うようにならずもどかしいこと。鉄人のことわざ辞典は、かなり充実させたつもりだが、アクセスは増えず、二階から目薬という心境である。
[似(に)て非(ひ)なるもの]
出典は、『孟子』。外見は似ているが、本質は全く違うまがい物であるということ。鉄人のことわざ辞典は、出版されていることわざ辞典に比べると、似て非なるものというのさえおこがましいレベルにしかない。
[二兎を追うものは一兎をも得ず]
ふたつのことを同時にやろうとしても、いずれもうまくいかなくなること。鉄人が、『和製漢字の辞典』・『日本語を読むための漢字辞典』・『和製漢字の鉄人』・『雑学の鉄人』の4つを同時にこなせたのは、鉄人の才能が希有なレベルにあるのではなく、前2者において優秀な協力者を得られたからに他ならない。
[二の足を踏む]
ためらって後込みすること。作り始めたが、二の足を踏んで公開できる内容に到っていない辞典も多い。
[人間到る処青山(せいざん)あり]
世の中どこへ行ってもがんばることができるのだから、故郷にこだわらず、外へでて活躍すべきということ。しかし、「青山(せいざん)」が墓地のこととは、意外だという方が多いだろうが、青山墓地(あおやまぼち)を思い出して、「あおやまあり」なんて読まないように。
[人三(にんさん)化(ば)け七(しち)]
人間の要素が三分で、化け物の要素が七分という意味から、醜い容貌のこと。今どきこんなことを言ったらセクハラといわれそうだ。
[抜(ぬ)かぬ太刀(たち)の高名(こうみょう)]
「口先ばかりで、実際に実力を見せたことがない人のこと」をいうそうだが、太平の世の中には、人を一度も切らぬばかりか刀を抜くこともなかった剣豪がいたそうである。戦国時代や、幕末はそうもいかなかったであろうが、相手の力量をはかり、自分より強そうな相手には挑まないのも剣豪の条件といえた。
[糠味噌(ぬかみそ)が腐(くさ)る]
歌が下手なことをけなして言う言葉。鉄人は、カラオケへ行っても、糠味噌が腐るといわれたくないので、聞き役に徹している。
[濡(ぬ)れ手(て)で粟(あわ)]
「なんの苦労もなく利益を得ること。」なんだけど、「粟」なんていわれてもぴんとこないし、耳で聞けば、「濡れ手で泡」、なんのことだといわれそう。何か新しい言い方ないのかな。ま、「Yahoo」とかに載れば、『日本語を読むための漢字辞典』のように「濡れ手で粟」で、アクセスは増えるけど。
[願(ねが)ったり叶(かな)ったり]
望みどおりのことで非常に都合がよいということ。雑誌が鉄人の頁を載せてくれるのは、宣伝にもなるし、願ったり叶ったりである。
[猫(ねこ)の額(ひたい)]
土地などが非常にせまいこと。日本人は、猫の額ほどの土地に、兎小屋のような家を建て住んでいるといわれることがある。
[猫は虎の心を知らず]
小人物には大人物の考えることはわからないということ。「燕雀いずくんぞ鴻鵠の思いを知らんや」というのもある。どちらにしても、単に自分の身の不遇を嘆いているのではない。このぐらいの気がなければ、たいしたことはやり遂げられないだろう。
[猫も杓子(しゃくし)も]
誰も彼も同じようなことをすること。猫も杓子もi-modeホームページを作るようになったといっても、はやるページはほんの一握りだ。
[寝(ね)る子は育(そだ)つ]
「よく眠る子は、健康で丈夫に育つ」という意味であるが、最近の研究でもそれは裏付けられる。起きて数時間が成長ホルモンが良く分泌される時間という。数時間ごとに寝ては起きを繰り返していると、ホルモンの分泌が良く、よく育つということにも関係があるのだろう。
[年年歳歳人同じからず]
人の世は移ろいやすくはかないということ。ページがはやりだしたからといって油断していると、年年歳歳人同じからずで、いつの間にか廃れてしまうということになりかねない。
[能ある鷹は爪を隠す]
才能や実力のある人は、むやみにひけらかしたりしないということだが、才能を隠さずどんどん発揮した方が、社会のためになるのではと思ってしまうのは、鉄人が小者であるからだろうか。
[能無しの口叩き]
鉄人のことのようだが、能弁な人を黙らせたい人が使うことわざであろうか。
[熨斗(のし)をつける]
「ほしがっている人に喜んで進呈する」という意味だそうだが、喧嘩のときの売り言葉に買い言葉でいうことが多いと思う。あまり良い用い方は浮かんでこないのは鉄人のみであろうか。
[喉(のど)から手が出る]
欲しくてたまらないこと。普通なら喉から手が出るような有能な助っ人が二人も得られた。
[野良(のら)の節句(せっく)働(ばたら)き]
普段怠けているものが、人が休むときに忙しそうにしていること。普段忙しくなくても、人の仕事が終わると後始末をつけるような職種の人は忙しくなるものだ。それを野良の節句働きといっては失礼になる。
[のんでかかる]
相手を自分より弱いものと決めつけて高圧的態度に出ること。勝負は、内面は慎重で、外面はのんでかかったかのように見える方が有利に戦えることが多い。
【は行】
[敗軍(はいぐん)の将(しょう)兵(へい)を語(かた)らず]
負けた将軍は、兵法について語る資格がないということ。スポーツでいえば、負けたチームの監督は、戦術がどうのと語ることができないという意味になるんだけど、兵法ではなく、兵(選手)の悪口を言って責任を転嫁している将(監督)は枚挙にいとまなく、このことわざの反面教師のいかに多いことか。
[場数(ばかず)を踏(ふ)む]
経験を多く重ねること。場数を踏んだバレリーナも本番は常に緊張するそうである。
[馬鹿と鋏は使いよう]
良く切れる鋏も使い方が悪いと良く切れないが、愚かな者でも使い方によっては役に立つこともあるということ。馬鹿と鋏は使いようでうまくおだて上げれば、思わぬ実力を発揮するものだ。
[馬鹿の大食い]
大食いを戒める言葉で、普通にはそうであるが、大食いでカリスマになった人もいる。何事にも例外があるということだ。
[馬鹿の一つ覚え]
同じことを何度も繰り返していったりしたりする人を罵って言う言葉。卑下して自分のことにも使われる。鉄人も馬鹿の一つ覚えで辞典ばかり作っている。
[白寿(はくじゅ)]
「百」から「一」引くと「白」になることから九十九歳の祝いのこと。ところで皇寿は何歳のことかわかりますか。「王」が十二に分解できることから、99+12で111歳のことをいいます。これ以上の賀寿は必要ないでしょう。
[伯楽(はくらく)]
人や馬などの素質や能力を見抜き、育てる名人のこと。『和製漢字の辞典』がここまでになったのも、私の能力以上のものを引き出してくれた多くの名伯楽のおかげである。
[化(ば)けの皮(かわ)がはがれる]
正体がばれること。「鉄人は、偉そうに鉄人などと称していても、いつ化けの皮がはがれて、たいしたやつじゃないといわれるかわかったものではない。」なんて使おう。
[始めあるものは必ず終わりあり]
典拠は、『法言』。全ての物に始めがあるように終わりも必ずあり、永久に続くものはないということ。始めあるものは必ず終わりありといわれるが、生ある限り各辞典の改善に努めたいと思っている。
[バスに乗り遅れる]
世の中の動きに取り残されること。今どきi-mode用のホームページも作れないなんてバスに乗り遅れているといわれるぞ。
[働かざるもの食うべからず]
「伝道者パウロがキリストの名において、怠惰な人間を諫めた言葉」というが、働かないのは怠惰とばかり限らない。病気、特にうつ病など症状が重くなくても、がんばらせることは病状の悪化をもたらす。キリストやパウロにあっても知識不足に基づくと見られる差別感があったようである。
[破竹(はちく)の勢い]
止めようとしても止めることができないほど、勢いがすごいこと。『雑学の鉄人』は、12月から2月までで10回も雑誌に載った。この破竹の勢いはもう止まらないだろう。
[鼻息(はないき)が荒(あら)い]
意気込みが激しいこと。鼻息荒く、ネット上最大のことわざ辞典を目指している。
[鼻糞(はなくそ)が目糞(めくそ)を笑(わら)う]
「目糞鼻糞を笑う」と同じ意味だということだそうだが、このような言い方があることは鉄人も知らなかった。
[話がはずむ]
気があったり、話がおもしろかったりして、さかんに話す。先日、酒の席でホームページのことで話がはずんだ。
[鼻に掛(か)ける]
ことさら自慢すること。美人を鼻に掛ける人にそれほどの美人がいた例しはない。
[花の下より鼻の下]
美しい物を愛でるより、実利・実益の法が優先するということ。鼻の下は口であるから、さしずめ「花より団子」ということだろう。
[鼻を明(あ)かす]
ライバルの隙(すき)に乗じて出し抜くこと。他のことわざ辞典作者の鼻を明かすような辞典を目指したいと思っている。
[歯(は)に衣(きぬ)着(き)せぬ]
思ったことを遠慮なくずけずけ言うこと。奥歯に物が挟まったような言い方が良くないからといって、あまりに歯に衣着せぬ言い方をするというのも困ったものである。
[歯(は)の根(ね)が合(あ)わない]
寒さや恐ろしさのため、ひどくふるえること。このところ少し暖かくなって、歯の根が合わないほどの寒さは去ったように思える。
[幅(はば)を利(き)かせる]
勢いのあるものが我が物顔に振る舞うこと。Hサイトなどに何時までも幅を利かせておいたのでは、インターネットの将来は明るくない。
[早(はや)い者勝(ものが)ち]
人より先に手を着けた者が得をするということ。鉄人のことわざ辞典は、ネット界ではトップクラスの規模であるが、手を着けたのが遅く、早い者勝ちのグループから後塵を拝する状態にあるのは残念である。
[早起(はやお)きは三文(さんもん)の徳(とく)]
早起きはなにがしかのいいことがあるから、する方が良いという意味。早起きしても僅かしか得にならないので、早起きしても仕方がないなどと取る人もいないだろうが、冬の寒さの前にはかすんでしまいそうなことわざではある。
[腹(はら)も身(み)の内(うち)]
暴飲暴食を慎めということ。つい好きな物があると、腹も身の内ということを忘れがちになってしまう。
[腹(はら)を割(わ)る]
包み隠さず、気持ちや真意をさらけ出すこと。腹を割って話し合える親友はなかなかできないものだ。
[張(は)り子(こ)の虎]
たいした実力もないのに偉そうにして威張っている人をあざけって言う言葉。鉄人などと名乗っている割にあの程度の質問に答えられないとは、張り子の虎だったんだなあと言われないようにしたいと思っている。
[日暮(ひくれ)れて道遠(みちとお)し]
年老いたのに目的が達成されそうにないことをいう。日暮れて道遠しとならないためにも、力を入れるべき辞典を限定しなければと思っている。
[卑下(ひげ)も自慢(じまん)のうち]
必要以上に卑下するのも一種の自慢であるという意味。何事も過ぎたるは及ばざるが猶しということなのであろうか。へりくだることを美徳とする精神から来ていることだろう。
[筆舌(ひつぜつ)に尽くしがたい]
書いたり言ったりして表現できないほど、程度が甚だしいこと。病院に勤務していると、ほかでは味わえない経験をするものだが、それでも筆舌に尽くしがたいという経験をすることは稀であろう。
[匹夫(ひっぷ)も志を奪うべからず]
出典は、『論語』。身分も教養もない人間でも、志が固ければ、誰もそれを奪ったり、そのじゃまをしたり変えさせたりできないということだが、鉄人のことをいわれているようだ。
[一息(ひといき)入れる]
途中で一休みする。鉄人の辞書づくりは、一息入れているばかりでなかなか進まない。
[一粒の麦]
多くの人々のために独りみずから進んで犠牲になることで、キリストの教えだというが、人身御供か人柱のようなむごい考えのように思われる。
[人に七癖(ななくせ)我が身に八癖(やくせ)]
自分は他人より癖の多い身であると自覚すべきだという意味というが、10人並みの人は誰でもそのかわりになるのであるから、10人並みでなく個性のある人は、かわる人がいないという意味に取れば、存在価値があるという良い意味にもとれる。
[人の噂も七十五日]
この移り変わりの激しい世の中、よほどの大事件でもなければ、十日も話題になることはないであろう。「人の噂も十五日」と変えても長すぎるぐらいである。それぐらいに人の噂や人の評価など気にすることなく、自分の信ずる道を行くべきである。
[人の空言(そらごと)は我が空言]
他人が話した内容を確かめもせず、すぐ受け売りをするなということ。鉄人のことわざ辞典の解説は、人の空言は我が空言のレベルだと思って、受け売りしないように。
[人の物より自分の物]
どんなつまらない物でも自分の物がよいということ。雑誌に掲載されたすばらしいサイトを見ても、人の物より自分の物で、鉄人のサイトが出ていないと不満に思ってしまう。
[人は病の器]
人間は病気にかかりやすいものであるから、平生から気をつけるべきであるということ。人は病の器というが、ほんとうに病院の数も多いものだ。
[人を見たら泥棒と思え]
他人は軽々しく信用しないで、まず疑ってかかれということ。このことわざを知ってか知らずか鉄人などを信用して質問をする人が絶えない。鉄人にとってはありがたいことである。
[火に油を注ぐ]
勢いのさかんな物にさらに勢いをつけさせること。鉄人の辞典をほめることは、火に油を注ぐようなもので、鉄人のうぬぼれを助長するだけである。
[火のないところに煙はたたない]
うわさが立つということは、その根拠となる事実があるものだということ。無実の人が、「火のないところに煙はたたぬ」などという俗諺のせいで苦しむのは、まことに気の毒だ。英語の諺を翻訳したものである。
[日日(ひび)に新たにして又日に新たなり]
毎日毎日新にして向上進歩を怠らないこと。ホームページ作成にも言えることで、そのようなページがいずれは、名をなすと思いがんばっている。
[百薬(ひゃくやく)の長(ちょう)]
あらゆる薬の中で最高のもの。酒のことをいう。薬は用法用量を守らなければ毒になるというが、酒も百薬の長といわれるだけあって、飲み過ぎると同じく体に悪いものとなる。
[百里の道を行くものは九十里を半(なか)ばとす]
何事も終わりに近づいたところが難しい、気を抜かず最後まで全力を尽くすべきであるということ。鉄人の辞典のように完成というものがあるか否かわからぬものにとっては、このことわざはより重いものになる。
[瓢箪(ひょうたん)の川流(かわなが)れ]
うきうきして落ち着きのないこと。雑誌に掲載の連絡があると、瓢箪の川流れというほどでなくても、なんと書いてくれているか、うきうきとして、発売日が待ち遠しいものである。
[貧(ひん)にして楽しむ]
出典は、『論語』。貧しくてもそれを楽しんで生活するということ。貧にして楽しむなどということは、多くの現代人には理解できないことである。
[不覚(ふかく)を取る]
油断して思わぬ失敗をしたり、勝負に負けたりすること。鉄人も変な回答をして不覚をとることがたまにはある。
[不可能(ふかのう)という言葉(ことば)は我(わ)が辞書(じしょ)にはない]
どんなことも努力次第ではできないことはないということ。ナポレオンの言葉というが、単なる伝説で、ナポレオンの言葉として残されているものは、「不可能、それはフランス語にない」であるということだ。どちらにしてもナポレオンが連戦連勝していたときの言葉であろう。
[不帰(ふき)の客(きゃく)となる]
帰ってこない人になる、亡くなってしまうこと。
[吹(ふ)けば飛(と)ぶよう]
身分や存在がとるに足りないこと。鉄人など、本当に吹けば飛ぶような存在である。
[不幸中(ふこうちゅう)の幸(さいわ)い]
不幸の中にたったひとつの幸いがあることと解説してしまったのでは、身も蓋もない。いいことがなかった中に、ほっとできるいいことがあったという風に前向きに取りたいものである。
[豚に真珠]
貴重な価値のある物をその価値のわからないものに与えても、何の役にも立たないこと。下戸の鉄人には、吟醸酒は、豚に真珠といえる。
[米寿(べいじゅ)]
「米」の字を分解すると、「八十八」になることから、八十八歳の祝い。
[下手(へた)な鉄砲も数うちゃ当たる]
どんな下手な人でも何回もやっているとうまくできることもあるということ。鉄人も下手な鉄砲も数うちゃ当たるでホームページをたくさん作っている。
[下手の道具調べ]
下手な人ほど道具にうるさいということ。鉄人の辞典好きは、「ジテン・フェチ」とハンドルされるほどであるが、これも「下手の道具調べ」に入るのであろうか。そうであれば、光栄である。
[下手の横好(よこず)き]
「好きこそ物の上手なれ」と真反対だが、まだまだ好きのレベルが足りないのであろう。本当に好きなら努力して上手になるはずである。努力不足を棚に上げて、自分のことを下手の横好きと謙遜しているかの様にいうのは、やめるべきである。
[忙中(ぼうちゅう)閑(かん)あり]
どんな忙しいときでも、ちょっとしたひまはあるものだということ。鉄人は、主なホームページだけでも7つも持っているので、忙中閑ありとはなかなかならない。
[棒(ぼう)ほど願(ねが)って針(はり)ほど叶(かな)う]
願い事はほんの一部叶ったらいい方で、なかなか叶うことではないという意味。鉄人のようにネット上で「針ほど願って棒ほど叶う」と、運を全て使い果たして他はそれほど叶わないということになりかねないので、叶う願いは程々がよいということであろうか。
[仏(ほとけ)造(つく)って魂(たましい)入(い)れず]
物事をほとんどやり遂げながら、肝心なことが抜けていて完成しないこと。いかに立派なサイトを作っても、検索エンジンに登録しなければ、仏造って魂入れずということになる。
[骨折(ほねお)り損(ぞん)のくたびれ儲(もう)け]
苦労した割に成果が上がらず報われないこと。骨折り損のくたびれ儲けにしないために、早く多くの人から見てもらえるサイトにしたいものだ。
[本腰(ほんごし)を入れる]
真剣に取り組み、本格的に行うこと。本腰を入れたものとそうでないものでは、成果に自(おの)ずから大きな差ができる。
【ま行】
[枚挙にいとまがない]
たくさんありすぎて、一々取り上げることができないこと。悪人や犯罪は、枚挙にいとまがないほどである。
[負けるが勝ち]
つまらない争いはさけて、勝ちを譲ること。つまらない相手やつまらないことで喧嘩してけがをするのはつまらないことであるということを理解すべきであるが、このことわざのすばらしさを理解しようとしない人が多いのは残念である。
[待てば海路(かいろ)の日和(ひより)あり]
焦らず待っていればいつか良い機会が来るということ。鉄人シリーズも「ことわざの鉄人」で第3弾となるが、ふたつ目の「雑学の鉄人」は、12月から2月にかけて8回も雑誌に載ったが、他のふたつは一度もそういうことがない。待てば海路のではなく、「待てど暮らせど」という感じである。
[的をしぼる]
目標をはっきりと一つに決めること。鉄人も的を絞ってホームページを作ればいいのだが、なかなかそうもいかない。
[見栄(みえ)を張(は)る]
自分を実際より良く見せようとすること。見栄を張って鉄人などと名乗っているばかりにしんどい思いをしている。
[右に出る者がない]
出典は、『史記』。中国漢代には、右を左より上位としたことから、その人より優れた者はいないという意味。鉄人も『和製漢字の辞典』の作者として、ネット世界では、和製漢字研究者として右に出る者がないと思われているかも知れない。
[水清ければ魚すまず]
水があまりに綺麗すぎると、隠れるところがなく魚が住めないように、あまりに清廉潔白すぎる人のところにも人が寄りつかないと言うこと。水清ければ魚住まずといって悪行をしたのでは、諺の悪用である。
[水際立つ]
他と比べて、特に優れており、はっきりと目立つこと。『和製漢字の辞典』は、水際たっているというほどのものではないが、ネット上では、同様の辞典がないだけに多くの方に訪問していただいている。
[水を得た魚(うお)のよう]
活躍できる場を得て生き生きしていること。鉄人もホームページという活躍の場を得て、水を得た魚のようであるといわれるであろうか。
[味噌の味噌臭きは食われず]
むやみに専門家ぶる人は、その道に達した人ではないということ。鉄人もそういわれないように気をつけねばと思っている。
[味噌も糞も一緒]
性質の違うものを一緒くたにすること。「『ことわざの鉄人』といいながら、漢字や和製漢字の小辞典がある。味噌もくそも一緒だ」などと使おう。
[三日にあけず]
毎日のようにたびたび何かをすること。『ことわざの鉄人』も三日にあげず更新をしているのだが、なかなか人気がでないのが残念である。
[源清ければ流れ清し]
下のものを正すためには、上のものが正しくなければならないということ。度量が大きいということわざに「清濁合わせ呑む」があり、それどころか「水清ければ魚住まず」ということわざまである。どれを信ずべきかほとほと困ってしまうのが、ことわざであるということか。
[身を粉(こ)にする]
体がくたくたになるほど、一所懸命努力すること。身を粉にしたからといって、やり方が悪ければうまくいくはずがない。
[虫が好かない]
何がどうだということなく、何となく嫌いであること。虫が好かないということに理由はない。
[矛盾(むじゅん)]
どんな盾も突き抜ける矛と、どんな矛も受け止める盾を売る商人に、おまえの矛でおまえの楯を突いたらどうなるといわれて商人が困ったという話は、あまりに有名。しかし、韓非子が儒家の堯・舜聖天子説を批判するために使った論法であることはあまり知られていない。敵対したり、戦争をするという意味もあるということに至っては、ほとんど知られていないのでは。
[胸(むね)を踊(おど)らせる]
希望や喜びなどで、うきうきすること。雑誌掲載の連絡をもらうと、胸を躍らせるというほどでなくても、やはり嬉しいものだ。
[無理(むり)が通(とお)れば道理(どうり)が引(ひ)っこむ]
暴力で無理が通れば、正義が行われなくなるという意味だとされるが、正義とは法の裏付けのある暴力ともいえ、無理と道理は紙一重ともいえる。
[目新(めあたら)しい]
珍しく、新鮮みがある。相も変わらぬ辞典で、目新しいものはありませんが、徐々に充実させています。
[名実(めいじつ)ともに]
評判も実際も優れているということ。『和製漢字の辞典』は、名実ともに世界一の国字辞典といわれるときは来るのであろうか。
[名人は人を謗(そし)らず]
一芸に秀でた名人と呼ばれるような人は他人をけなしたり避難したりしないものだということだが、誰が誰にいうことわざだろうか。このことわざ自体、他人を避難していることわざであるから、名人は使えない。このことわざによって避難される人も、人を謗っているから名人ではない。名人になりうる人にいうと想定しても相手をそうだと見抜ける人は名人しかいないとなると結局使いうる人も場面も想定できないことわざになる。このように揚げ足取りの解説をしている鉄人も名人にはなれない。
[目が届(とど)く]
注意や世話が行き届くこと。「生徒数が多いので、なかなか目が届かない」などと否定的に使われることが多い。
[目糞(めくそ)鼻糞(はなくそ)を笑う]
目糞も鼻糞も大差ないということから、自分も同じように欠点がありながら、他人の欠点や間違いを笑うこと。自分の欠点は棚に上げて、人の悪口ばかり言う人は、目糞鼻糞を笑うということわざにぴったりである。
[メスを入れる]
思い切って良くないものを取り除くこと。不正にメスを入れるのには、相当の覚悟が必要だ。
[目には目を歯には歯を]
相手からされたことと同じ事を仕返しすること。昔のバビロニアのハムラビ法典にあった刑罰の決め方による。
[目もくれない]
見向きもせず、相手にもしないこと。ほかのことに目もくれないで一つのことに熱中するということは難しいことである。
[目を通(とお)す]
ひととおり見ること。『雑学の鉄人』は、たいした内容のものはありませんが、目を通していただくとわかりますが、分量だけはありますので、暇つぶしをかねて雑学通になれることうけあいです。
[面食(めんく)らう]
突然のことにとまどうこと。不意の乾杯音頭の指名に面食らった。
[面目次第(めんぼくしだい)もない]
はずかしくて、また恐縮して、人に顔を合わせられないこと。オリンピック1回戦で敗れた世界チャンピオンは、面目次第もないと早々に引き上げてしまった。
[餅(もち)は餅屋(もちや)]
何事も専門家に任せておけば間違いないということ。国字に関していえば専門家という人がいない。それに近い人はいても、忙しくて辞典を作っている暇がないということで、餅屋でない鉄人が餅ならぬ『和製漢字の辞典』を作っている次第である。
【や行】
[八百屋(やおや)に看板(かんばん)なし]
八百屋は店先にたくさんの商品を並べてあるので看板がなくても八百屋とわかるということ。『ことわざの鉄人』も早くそうなりたいと思う。
[焼(や)け石(いし)に水(みず)]
焼けて熱くなった石に少々水を掛けてもさめないように、たくさん必要なところに少ししか与えないのでは、何の役にも立たないということ。何百万人もが飢えている地域に数百トンの食料援助では、焼け石に水だ。
[柳(やなぎ)に風(かぜ)]
逆らわないで適当に受け流すこと。このような人が多ければ、いろいろな争いは減るのだろうか。こんな態度をとられたら、小馬鹿にされているように感じる人も多いのではなかろうか。
[藪(やぶ)から棒(ぼう)]
藪から棒を突き出すように唐突にという意味。国字やことわざで疑問に思ったことはどんどん鉄人に聞いていただきたい。藪から棒にそんな質問をされてもなどとはいわないつもりであるから。
[病(やまい)は気(き)から]
病気によっては、気の持ちようで良くなったり、悪くなったりするものもあると解釈して使おう。不治の病の人や、不摂生が原因でない病の人など、このことわざを使っては失礼になる多くの人がいることを理解しよう。
[夜郎自大(やろうじだい)]
自分の実力をわからず、仲間内や小さな世界の中で偉そぶっていること。出典は、『史記』。「井の中の蛙」よりは世界が広いのであろうか。おそらく五十歩百歩であろう。
[夢は逆夢(さかゆめ)]
不吉な夢を見たときの縁起なおしに言われる言葉。夢は、過去の出来事を記憶として整理する過程で見るものといわれており、予知夢などというものはないということがわかってきている。
[横のものを縦にもしない]
ひどくものぐさで、何もしないこと。つりは、待ち時間が長いから、横のものを縦にもしない人が良いのかというと、そうではなく、気が短い人にあうそうだ。
[蘆(よし)の髄(ずい)から天(てん)を覗(のぞ)く]
蘆の茎から見るようなせまい知識や経験で、大きな問題を判断しようとすること。いかに優れた天文学者・生物学者であっても百科事典を作らせれば、蘆の髄から天を覗いたようなものしか作れない。
[世(よ)に二仏(にぶつ)なし]
信じるものは一つだけに定まっているということ。日本では、「神も仏も」といい、また「八百万の神々」という。「世に二仏なし」にあてはまる人は日本には少ないであろう。
[世の中、なるようにしかならない]
十分努力に努力を重ねた人が使うべき言葉で、何も努力せずこのようにいうのはただの怠慢に過ぎない。ただ「人事を尽くして天命を待つ」の方がより積極的響きを持ちはするとは思える。
[寄(よ)らば大樹(たいじゅ)の陰(かげ)]
「鶏頭となるも牛後となる無かれ」ということもあり、諺とは、「言技」に過ぎぬかとも思ってしまう。人それぞれ、都合のいい方をとれるようになっているのであろう。
【ら~】
[洛陽(らくよう)の紙価(しか)を高(たか)らしむ]
著書が人気で、たくさん売れることをいうが、中身のない単なるベストセラーには使いたくない。間違っても「『和製漢字の辞典』が洛陽の紙価を高らしめた」などという使い方はしないこと。
[理屈(りくつ)と膏薬(こうやく)はどこへでも付く]
理屈は付けようでなんとでもつけられるということだが、ことわざも真反対のものが多いのは、そういう理由によるものであろうか。ことわざも使いようということだろう。
[竜虎(りゅうこ)相搏(あいう)つ]
きわめて強い同志が、激しく争う様子。K-1の人気は、なんといっても毎回竜虎相搏つ戦いが見られることにある。
[凌雲(りょううん)の志(こころざし)]
出典は、『漢書』。雲をもしのぐ、世俗を超越した高いの志のこと。鉄人の辞書づくりに、凌雲之志などと使っては、他の人に失礼に当たるかも知れない。
[良薬(りょうやく)口に苦(にが)し]
苦い薬のみが良い薬とはいえないが、コーティングしたり、甘いものを混ぜたりしている薬が多いのは事実である。忠言や諫言には、そのようなものは期待できないから、より苦いであろう。典拠は、『孔子家語』といわれるが、この書は、後世の偽作といわれているだけに、ことわざ自体信じて良いものか。
[類(るい)は友を呼(よ)ぶ]
気の合う似たもの同士は自然と集まるものであるという意味だが、軽蔑の意を含んで悪い意味に使われることの方が多いように思われる。大事な人に対しては使わない方がよいと思われる。
[例外のない規則はない]
どんな規則でも、それを適用しきれない例外が必ずあるということ。では、例外のない規則はないという言葉自体に、例外はないのかと考えると、堂々巡りになるので止めておこう。
[礼も過(す)ぎれぱ無礼(ぶれい)になる]
自分のことに使うのであれば、よほど礼儀正しい人でなければ、物笑いの種になりそうなことわざである。礼儀を知らない人が、礼を尽くさない理由にしてはいけないことは当然のことである。
[労(ろう)多くして功(こう)少なし]
苦労が多い割に得るものかせ少ないこと。日本の辞典界をいっているような諺である。
[ローマは一日にして成(な)らず]
大きく立派な仕事や物は、それ相当の努力と時間をかけなければできないということ。ローマは一日にして成らずというが、辞典づくりも同じことが言える。
[六十(ろくじゅう)の手習(てなら)い]
年をとってから新しいことを習うこと。六十の手習いでホームページを作った人には驚いた。
[論(ろん)より証拠(しょうこ)]
色々議論しても、証拠を示すのに勝つものはないということ。論より証拠、カウンター数が多いページが、はやるサイトだ。
[和して同せず]
人と和やかに協調するのはよいことだが、法や道理に合わないことまで一緒にやってはいけないということ。和して同せずの態度で毅然としていなければ、いつの間にか朱に交われば赤くなるで、悪事に手を染めていたということになりかねない。
[渡(わた)りに船(ふね)]
困っていたり、何かしようと思っていると、都合良く手助けしてくれる人があらわれること。鉄人も初めのふたつのホームページは、自分では作っていない。作りたいが、作ったことがないので困っていると、つくってあげましょうという方があらわれたので、渡りに船とお願いしたのです。
[笑(わら)う門(かど)に福来(ふくきた)る]
いつも笑顔で人に接する者には幸せが訪れるという意味。相手に好印象を与え、事が成就するということか。笑うといってもニタニタしていたのではもちろん逆効果である。
[我(わ)れ、仁(じん)を欲(ほっ)すれば、斯(ここ)に仁(じん)到(いた)る]
『論語』が出典。『中国古典名言辞典』が、「仁でありたいと望んだ瞬間に、仁はその人の者となる。道は近きにあり。道徳の実践に深遠な原理も困難もない。かくありたいと望んだとき、ひとはそうなりうるのだ。」と解釈をつける。名言であると思う。「仁」に限らず、広く世間一般に言えることが多いと思われる。