Dec/28/2008
今年最後の花に何を選ぶか、少し迷いましたが、寒さが厳しい折、せめて暖かい色合いの花をと、鉢植の「アザレア(azalea)」を選びました。「アザレア」は、「中国南部原産のシナノサツキと日本原産のサツキとを交雑したもの」で「主にベルギーで改良」されたものだそうです(いずれも広辞苑)。庭植の「アザレア」を見たことがないのですが、どうも、「ツツジ」のように大きくはならないようです。が、花は「ツツジ」や「サツキ」に比べてとても華やかです。色も豊富で、八重咲きもあり一重咲きもあります。この季節の窓辺に最適ですね。最後になりましたが、今年一年皆様には大変お世話になりました。お礼を申し上げます。
Dec/7/2008
「イヌタデ(犬蓼」です。別名の「アカマンマ」の方が、通りは良いかもしれません。写真は8月に撮影したものですが、今もまだ咲いています。花期の長い花ですね。と、書いてから調べてみましたら、この季節の「イヌタデ」の赤い穂は、どうやら「花後」だとのことです。花には花弁がなく、花弁のように見えるものは「萼、がく」なのだそうで、どうりで、蕾と花後が区別しにくいわけです。これまで、長い間花が咲き続けているものと思っていました。ちなみに、名前の頭に付く「イヌ」は、多くの場合、「役に立たない」という意味があります。でも、馴染みの植物だけに、ちょっと可哀相な名前ですね。
Nov/30/2008
「ムラサキセンブリ(紫千振」です。花は2-3cm程と、それ程大きくはありませんが、その形は端整で、くすみがなく清楚な感じのする紫色が、とても可愛らしい花です。寒さが厳しくなりつつある今の季節に、心温まる花ですね。他に、色違いの「センブリ(千振)」があります。こちらは全体に白が基調で、紫色の線が入ります。「千振」は「千度振り出してもなお苦いの意(広辞苑)」からの名で、「センブリ」は「乾したものは生薬の当薬で、煎じて健胃剤とする(広辞苑)」とあります。ただ、「ムラサキセンブリ」に同じ薬効があるかどうかは不明です。
Nov/23/2008
「パンジー(pansy)」です。近くの公園の花壇の花が、植え替えられていました。毎年、同じ「パンジー」です。寒さに強い上に、花色が豊富で、この季節には大変貴重な花ですね。花は5cm程で草丈は20cm前後でしょうか。これよりも小型の「ビオラ(viola)」という花があります。花の形はそっくりで、草丈も幾らか小さい程度ですが、花の大きさは半分程の2-3cmです。最近のことですが、花径が1cm程の小さな「パンジー」を見ました。もしかして、これは「ビオラ」と呼んだ方が良いのでしょうか。いずれにしても、大きさによる呼び名の違いは、品種開発が進むにつれて、ますます分かりにくくなっているようです。
Nov/9/2008
「キクザキセンダングサ(菊咲栴檀草)」の白花です。黄色や白と黄の花は見たことがあるのですが、白花は初めてでした。葉や花が「コスモス」に似ていて、秋から冬にかけて咲く、ということから「ウインター・コスモス」という別名がありますが、「コスモス」はコスモス属、この「キクザキセンダングサ」はセンダングサ属です。確かによく似ていますね。花は3-4cm程度と小振りですが、とても綺麗な色あいで、花の種類が少ない季節に貴重な花です。白や黄の他にもピンクがあることを最近知りました。是非見てみたいものだと思っています。
Nov/2/2008
「モミジルコウ(紅葉縷紅, 紅葉留紅)」です。夏の頃から咲き始め、今の季節になっても赤い花を楽しませてくれます。ただ、もうそろそろおしまいでしょうか。葉の形が「モミジ(カエデ)」に似ていることによります。本来の「ルコウソウ」は針のように細い葉で、他にハート形をした葉の「マルバルコウソウ」があります。「モミジルコウ」は、この二つの交配種だそうで、なるほど、葉の違いを見ると納得ですね。花は、「ルコウソウ」がとても濃い赤、「モミジルコウ」は赤、「マルバルコウソウ」はオレンジ色、形はいずれも漏斗状で、花径は1-2cm程です。
Oct/26/2008
「ホトトギス(杜鵑草)」です。斑点がカッコウ目カッコウ科の鳥「ホトトギス」の腹部の斑紋に似ているために、この名前になりました。草丈は50cm前後と、それほど大きくはありませんが、独特の花の姿は、よく目立ちますね。「ホトトギス」は日本固有種で、葉腋(葉の付け根)に数個の花を付けます。丁度、茎に沿って連なるように咲き、そこから交互に葉が広がるような感じです。よく似た「タイワンホトトギス」は、茎の先に枝を出して多くの花を付けます。茎の途中には、殆んど花を付けません。花は、「タイワンホトトギス」の方が少し小さめでしょうか。花や葉だけでなく、全体の様子から判断することをお勧めします。
Oct/19/2008
「ヤブマメ(藪豆)」です。夏の終わり頃から秋にかけ、草むらなどで見かけることができます。なかなか目立ちませんが、よく見ると、旗弁(マメ科に特有の蝶形花の、上の方に立ち上がるような形の二枚の花弁)の青紫色が素晴らしいですね。初めて「ヤブマメ」を知った時には、遅い時期だったせいか、あまり綺麗だという印象を持っていなかったのですが、昨日見つけた時には、「野生の花は、どれも、手を入れていない美しさがある」ことを再確認しました。地中にできる閉鎖花(へいさか、蕾のまま開かない花)は豆果となり、食用になるのだそうです。食べたことはないのですが、美味しいそうですよ。
Oct/12/2008
「クコ(枸杞)」です。駅の近くのお宅の生垣に、この「クコ」の木が一本混じっています。夏の終わり頃から、紫色の小さな花が咲き出し、もう少しすると、色鮮やかな赤い卵形の実が成ります。暫くの間は、花と実が同時に楽しめます。なかなか、珍しいのではないでしょうか。この「クコ」は大変有用な植物で、広辞苑によれば、「実は枸杞酒に利用され強壮の効用があり、根皮は乾して生薬の地骨皮(ジコッピ、抗炎症・解熱等の効用があるそうです)、葉は食用、また乾して枸杞葉と呼び解熱剤」として用いられるそうです。枝にはトゲがあります。触ったりする場合には、充分にお気を付けください。
Oct/5/2008
「キンモクセイ(金木犀)」です。小さな四弁のオレンジ色の花が咲き出しました。かなり離れていても、良い香りが届いてきます。秋ですね。一つ一つは小さいですが、枝から直接花枝を出し、密集して花を咲かせます。白花は「ギンモクセイ(銀木犀)」といいます。「キンモクセイ」は、この「ギンモンセイ」の変種なのだそうですが、この近くでは、圧倒的に「キンモクセイ」の方を良く見掛けます。庭の金木犀は、樹高が4m程ありました。今年の春に思い切って枝を払ったのですが、もうかなり伸びています。また来年には切り詰めないと、お隣に迷惑が掛かりますね。
Sep/28/2008
「アキノノゲシ(秋の野芥子)」です。咲き出す前の様子は、「オオアレチノギク」や「ヒメムカシヨモギ」に似ていて、草丈は1-1.5m程にもなります。見分けが難しいと思いますが、この季節になると、2cm程の淡黄色の花が勢いよく咲き出します。色合いがとても優しくて、可愛らしい花ですね。寒さが厳しくなり始める頃まで、まだ暫く楽しむことができます。ただ、繁殖力が旺盛で、嫌われることもあるかもしれません。この花、時々しぼんでいるところを目にすることがあります。調べると「夕方にはしぼむ」としているページもあるのですが、日中でもしぼんでいることがあります。日照の加減でしょうか。
Sep/14/2008
「マメアサガオ(豆朝顔)」です。英名も「pitted morningglory」、「小さな」「アサガオ」ですね。名前の通り、1.5cm程の小さな花です。夏の終わりごろから秋にかけて、フェンスや他の植物に絡みつきながら、幾つもの花を咲かせます。葉の陰に隠れて見つけにくいかもしれませんが、よく見ると、とても端整な五角形をしています。それが小さいだけに、何ともいとおしい感じがします。繁殖力が旺盛なようで、或いは厄介者かもしれませんが、・・・。花の色がピンクの「ベニバナマメアサガオ」という種もあるようですが、まだ見たことがありません。是非見てみたいものだと思っています。
Sep/7/2008
「ベニイタドリ(紅虎杖)」の雌花です。鮮やかな色ですね。全体的に赤く見えますが、赤いのは花びらの裏側と実の部分で、花びらの内側は「イタドリ」と同じように白色です。「イタドリ」にも、花の咲き始めはピンクのものがありますが、次第に色が薄くなるものが多いようです。とすると、どの程度の色の差をもって、この二つを区別するのか、他に相違点があるのか、良く分からなくなってきました(「ベニイタドリ」は高山型の植物としているサイトもあるようですが、写真は低地の空き地に咲いていました)。いずれにしても、もう暫く、この花の行く末を見守りたいと思っています。
Aug/31/2008
「ウリクサ(瓜草)」です。6-7mm程のとても小さな花ですが、地を這いながら纏まって咲いていることが多く、よく目に付きます。くすみのない青紫と白色の花で、派手さはありませんが、なかなか可愛らしい花ですね。「トキワハゼ(常磐黄櫨)」や「サギゴケ(鷺苔)」に似ていますが、「トキワハゼ」は、ほぼ直立し、花は1cm程と少し大きめです。また、「サギゴケ」は、やはり地を這うように広がりますが、花は更に大きく1.5cm程です。いずれもよく似ているものですから、うっかり見過ごしてしまうことがあるかもしれません。今が盛りです。
Aug/24/2008
「オシロイバナ(白粉花)」です。日が沈む頃から咲き始め、朝方まで咲き続けます。日中はしぼんでしまって、元気がありません。とても良い香りのする花ですが、とりわけ咲き始めの頃に香りが強いような気がします。花が散って、暫くすると、黒い種が目立ち始めます。この種を潰すと中は白粉状(胚乳)で、これをおしろいの代用にした(広辞苑)そうです。それで「オシロイバナ」となりました。花色は白・黄・ピンク・赤・絞りなど多様ですが、よく見ると、花びら(実は萼なのだそうです)の色と蕊(しべ、正確には花柱と花糸)の色が同じなのですね。珍しいように思うのですが、他にも何かあったでしょうか。
Aug/17/2008
お馴染みの「アサガオ(朝顔)」です。取り立てて華やかな花ではないのですが、清楚で涼やかな花ですね。以前は夏の厳しい日差しを避けるために、窓を覆うように這わせていた風景を良く見ましたが、最近はあまり見なくなりました。この花は、奈良時代末期に遣唐使がその種を薬用として持ち帰ったもの(Wikipedia)だそうで、利尿・下剤の効能がある(広辞苑)そうです。その後、江戸後期に園芸植物として改良発達し(広辞苑)、様々な色や形が作り出されました。実物を見たことはないのですが、「桔梗咲き」「獅子咲き」「車咲き」など、驚くような形をしたものがあるようです。
Aug/10/2008
「ヘクソカズラ(屁屎葛)」です。蔓性で、とても繁殖力が旺盛です。春頃から蔓を伸ばし始め、フェンスや草や木や、いたるところに絡み付き、この季節になって、1cm程の小さな白い花を咲かせます。「屁屎葛」とは、何とも可哀相な名前ですが、確かに独特な匂いがします。これを「異臭」「悪臭」と表現することもあるようで、それも止む得ないかな、と思ったりもしますが、・・・。その上、英名が「skunk vine」で、あの悪臭で名高いスカンク(skunk)の名を借りています。散々ですね。Wikipediaによれば、「しもやけ、あかぎれなどの外用民間薬」として利用されるとあります。少し、ほっとしました。
Aug/3/2008
薄っすらと紫色がかったピンクの「サルスベリ(猿滑り,百日紅,紫薇花)」です。樹高は2-4m程、花穂全体では10-30cm程、花一つは3cm程でしょうか。どこからどこまでが一つの花なのか、見極めるのはなかなか難しいのですが、中央のしべから赤い柄を伸ばし、その先に花びらが付きます。縁が皺寄っていて、何とも可愛らしいですね。花色は白・ピンクで、赤の強いピンク、紫の強いピンクなど、があります。樹肌はつるつるしていて、「木登りが上手な猿も滑ってしまって登れない」ということから「猿滑り」となりました。また、花期の長いことから「百日紅(ヒャクジツコウ)」という別名を持ちます。夏の暑い季節に貴重な花ですね。
Jul/27/2008
八重咲きの「ムクゲ(木槿)」です。樹高は2-3m程、花は10cm前後で、花色は白・薄紫・ピンク・赤紫など、一重や八重と、品種も大変豊富です。樹の下に落ちている花びらをよく見掛けますが、この花は、朝に開き、夜にはしぼんで落花する一日花です。でも、花数が多いので、一つの花が咲き続いているようにも見えますね。これからの厳しい夏の間、優しい色あいで、とても繊細な感じのする花が、目を楽しませてくれます。また、花や枝・根・実などは薬用に用いられているとのことで、美しさだけではないのですね。広辞苑に「枝は繊維が多く折れにくい」とありますが、柔らかく剪定しやすいそうですよ(聞きかじりです)。ちなみに、韓国の国花だそうです。
Jul/20/2008
「ヤマユリ(山百合)」です。30cm近くもある大変大柄な花で、草丈は100-150cm程でしょうか。東日本を中心に各地に自生する日本原産のユリで、その地名を冠した別名が多くあります(エイザンユリ(叡山百合)、ハコネユリ(箱根百合)など)。乱獲で数少なくなっているそうですが、姿かたちといい、大きさといい、香りといい、本当に豪華な花ですね。姿かたちのよく似た「カサブランカ」という、やはり大型で純白のユリは、この「ヤマユリ」や「サクユリ(「ヤマユリ」のような斑点がない大型のユリ)」などと交配し、品種改良されたユリだそうです(この系統のユリをオリエンタル・ハイブリッドといいます)。ちなみに「カサブランカ」は、スペイン語で「白い家」の意味です。
Jul/13/2008
近くの土手で「ヤブカンゾウ(藪萱草)」が満開です。花は15cm程と大柄で、草丈は70-80cm程でしょうか。オレンジ色の花は、遠くからでも良く目に付きます。花は一日で咲き終わりますが、次から次へ別の蕾が咲きますので、一つの花がづっと咲き続けていているような印象がありますね。姿かたちや花の色がよく似たものに、一重咲きの「ノカンゾウ(野萱草) 」があります。いずれも一日花で、「身につけると(その美しさに)物思いを忘れるという(広辞苑)」ことから、「ワスレグサ(忘れ草)」の別名を持ちます。春の若葉は食用になる他、根は萱草根(かんぞうこん)と呼ばれ、薬用にもなるそうです。
Jun/29/2008
少し前から「ツユクサ(露草)」が咲き始めました。青い花が綺麗ですね。二弁花のように見えますが、実は三弁花です。蘂(しべ)の陰に隠れるように、下の方に伸びる白い花弁が見えるでしょうか。これが三枚目の花弁です。花が印象的ですが、蘂(しべ)も大変面白い形をしています。花の近くに黄色い花びらのように見える三本の雄蘂(おしべ)があります。その先に黄色と橙色の雄蘂が一本、更にその先に伸びる橙色の二本の雄蘂、その二本の雄蘂の間に、分かりにくいのですが、先が黒い一本の雌蘂(めしべ)が伸びています。何ともいえない、見事な造形ですね。梅雨の季節から夏の終わり頃まで咲き続けます。
Jun/22/2008
「ヤマモモソウ(山桃草)」、別名「ハクチョウソウ(白蝶草)」です。1-1.5m程にもなる細長い茎に沿って、夏の初めごろから秋口まで、順に(一斉にではなく)清楚な純白の四弁花が花開きます。可愛らしい花ですね。風が吹いて揺らいでいる様子は、本当に蝶が舞っているようです。英名も「butterfly gaura」で、「華麗な蝶」の意味でしょうか(ネットの受け売りですが、「gaura」はギリシャ語で「華麗な」の意味があるそうです)。「ガウラ」という別名の方が、或いは一般的かもしれません。繊細な感じにかかわらず(?)、比較的丈夫で、繁殖力も旺盛だそうです。
Jun/15/2008
先週の「ヒペリカム・カリシナム(Hypericum calycinum)」に続き、「ヒペリカム・ヒドコート(
Hypericum 'Hidcote')」をご紹介します。樹高は100cm前後と、「ヒペリカム・カリシナム」に比べて丈が高くなります。生垣などに用いられているのを良く見かけますが、盛りには、それは見事です。この二つは、花期が殆んど同じで、花の色や大きさ、葉の様子などは、とてもよく似ていますが、「ヒペリカム・カリシナム」は花びらが放射状に広がり、沢山の長い雄蘂(おしべ)を受け止めるような形になるのに対して、「ヒペリカム・ヒドコート」は花びらがお椀のような形になり、短い雄蘂を包み込むような形です。本当に綺麗ですね。
Jun/8/2008
「セイヨウキンシバイ(西洋金糸梅)」、別名「ヒペリカム・カリシナム(
Hypericum calycinum)」です。樹高は40cm前後とあまり高くならず、鉢植えなどにしたものを良く見かけます。花は5-6cm程もあり、色も形も派手やかで、美しいですね。梅雨の走り頃に咲き出します。よく似た花に「ビヨウヤナギ(未央柳)」がありますが、こちらは樹高が1m程にもなります。二つはとてもよく似ていますが、樹高と特徴的な雄蘂(おしべ)の形で判断すれば区別は容易だと思います。「ヒペリカム・カリシナム」はお椀を伏せたような形の半球状になりますが、「ビヨウヤナギ」は上を向いたお椀のような形になります。
May/25/2008
「ザクロ(石榴)」の花です。オレンジ色の花が良く目立ちます。艶のある深く落ち着いた葉の緑も良いですね。夏頃には球状の実が成ります。唇を尖らしたような形の突起が、とても面白いですね。更に秋頃には、熟して外皮が裂け、真っ赤な果肉が見えるようになります。果肉は見た目に美味しそうで、実際に食べられますが、酸っぱく、熟してもあまり甘くはならないようです。「多くの男性の中にただ一人の女性がいること」を「紅一点」といいますが、中国王荊公の「石榴詩(ざくろの詩)」に「万緑叢中紅一点(青葉の中に一輪の赤い花が咲いている)」とあり、「唯一つ異彩を放つもの」の意味で、この花から来たものだそうです。(広辞苑)
May/11/2008
「フイリツルニチニチソウ(斑入蔓日日草,斑入蔓日々草)」です。五弁の形が殆んど崩れない端整な花びら、葉や花の色合いも良いですね。花径は4-5cmでしょうか。大変よく目立ちます。茎が短いうちは直立しますが、「ツル」の名が付くように、次第に這うように伸びていきます。大変繁殖力が旺盛なようで、近くの土手では、日陰も厭わず地を覆うように広がっていました。写真は斑入り種ですが、斑の入らないもの(ツルニチニチソウ(蔓日日草,蔓日々草))、花の色は青から薄青紫まで、更に八重咲き種もあるそうです。花径が2cm程度と小型のものは「ヒメツルニチニチソウ(姫蔓日日草,姫蔓日々草)」といいます。
May/4/2008
先週にご紹介した「カスマグサ」よりも、更に小型の「スズメノエンドウ(雀野豌豆)」です。花は3mm程と大変小さいのですが、良く見ると、しっかりした蝶形花で、薄っすらと紫色であること、が分かります。こうして見ると、なかなか可愛らしい花ですね。これまでにご紹介した三つの「ノエンドウ」(「スズメノエンドウ」「カスマグサ」「カラスノエンドウ」)の花は、それぞれ形が違っていますので、間違えることは殆んどないのではないでしょうか。ただ、良く目に付く「カラスノエンドウ」以外は、小さくて、見比べる以前に、見付けるのが大変、かもしれませんが、・・・。今、盛んに咲いています。
Apr/29/2008
先々週にご紹介した「カラスノエンドウ(烏野豌豆)(ヤハズエンドウ(矢筈豌豆))」よりも小型、「スズメノエンドウ(雀野豌豆)」よりも少し大きい、「カスマグサ(カス間草)」です。5mm程の、大変小さい蝶形花が、細い花柄の先に二つ咲きます(一~三つの花が付くという解説を見ますが、二つ以外見たことがありません、是非見てみたいと思っています)。良く見ると、大変端整な形の花で、紫色も落ち着いていて、可愛らしいですね。小さい花で、なかなか見付けるのが大変ですが、「カラスノエンドウ」を目当てに、その付近を探してみると、見付かることが多いようです。
Apr/20/2008
「ハナビシソウ(花菱草)」です。見事なオレンジ色の花ですね。「カリフォルニア・ポピー(California poppy)」とも呼ばれ、名前の通り、米カリフォルニア州の州花です。花径は5cm前後、草丈は50cm程でしょうか。日が当たると花を開き、日が翳ると閉じてしまいます。色は赤・ピンク・黄色など、花びらがフリル状になるもの、八重咲き、など種類が豊富です。この季節、道端などに、野生化しているものを見かけますが、調べると「病害虫に強く繁殖力が旺盛」だそうです。その途中で、「毒草」としているページに行き当たりました。取り扱いには注意が必要かもしれません。
Apr/13/2008
「ヤハズエンドウ(矢筈豌豆)」、別名「カラスノエンドウ(烏野豌豆)」です。紫がかったピンクの花が、良く目立ちますね。葉の先が凹んでいますが、これが矢筈(矢の弓の弦に掛ける部分、弦に掛けるために凹んでいる)に似ていることからの名です。野生の「エンドウ(豌豆)」を総じて「ノエンドウ(野豌豆)」といい、大きい方から「カラスノエンドウ(ヤハズエンドウ)」「カスマグサ」「スズメノエンドウ」となります。「カスマグサ」だけが「ノエンドウ」の名が付きませんが、大きさが「カラス」と「スズメ」の間、ということで、「カ(ラス)」と「ス(ズメ)」の「マ(間)」で「カスマグサ」となりました。面白い命名ですね。
Apr/6/2008
「モモ(桃)」の花です。綺麗ですね。「サクラ」よりも大柄で、ピンクが濃いようですので、区別は容易だと思います。が、問題は「アーモンド」です。未だに区別が付かず、悩みの種です。実が成る季節まで待てれば分かるのでしょうが、それも出来ない時は、本当に困ります。敢えて区別するとすれば、「モモ」の方が「しべ」の数が多いことでしょうか(見たことのある樹に限られた特徴かも知れませんので、確かではありません)。この季節、他にも「サクラ」や「アンズ」などバラ科サクラ属の花が多く、悩ましいですが、そんな時には、名前の詮索よりも、花を楽しむことの方が先、と思うようにしています。
Mar/30/2008
「ヒサカキ(柃,姫榊)」の雄花です。常緑の木で、この季節になると、枝に沿って小さな花が鈴なりに咲きます。雄花は写真のような壺形をしていますが、雌花の五弁はしっかりと開きます。「ヒサカキ」の名の由来は、玉串などに使われる榊(さかき)の代用にしたため「非榊(榊にあらず)」からとも、或いは、榊よりも葉も花も小型であるため「姫榊(植物名では「ヒメ」は小型であることを指します)」からともいわれます。異臭がするとのことですが、気付きませんでした。
Mar/23/2008
「シダレヤナギ(枝垂柳)」です。近くの公園に数本あるうちの一本に花が咲いていました。この木は樹高が4m程でしょうか、大きいものは10m以上にもなるそうです。柔らかな緑色の葉と、小さな優しい黄色の花。とても可愛らしいですね。今はまだ小さい葉ですが、花が終る頃から大きくなり始め、最終的には幅は1cm程、長さは10cm程になります。別名を「イトヤナギ(糸柳)」といいます。今日は風がなかったものですから助かりました。風のある時には垂れ下がった枝が揺れて、なかなか思ったように撮影できないものですから、・・・。
Mar/16/2008
「ハナサフラン(花サフラン)」です。「クロッカス(crocus)」という名の方が一般的でしょうか。この花が咲き出すと、いよいよ本格的に春が始まる、という感じがしますね。草丈は20cm程、花は10cm前後でしょうか、六枚の花びらが蕊(おしべ・めしべ)を包み込むような様子は、前回の「スノードロップ(snowdrop)」と同じですが、「スノードロップ」は下向き、この「クロッカス」は上向きです。可愛らしい花ですね。写真は白と青紫の絞りですが、これ以外にも白・青紫・赤紫・黄などがあります。正式名は「ダッチ・クロッカス(Dutch crocus)」だそうです。良く似た秋に咲く「サフラン(saffraan)」に対し、「ハルサフラン(春サフラン)」という別名を持ちます。
Mar/1/2008
「スノードロップ(snowdrop)」です。眩しいほどに純白の清楚な花です。草丈は15-20cm程、花は10cm前後でしょうか、三枚の花びらが下向きに垂れます。更に内側を良く見ると、三枚の小さな花びらがあることに気付かれると思います。六枚の花びらが、蕊(おしべ・めしべ)を大事そうに包み込む様子は、頬擦りしたくなるほど愛らしいですね。「マツユキソウ(待雪草)」「ユキノハナ(雪の花)」「ユキノシズク(雪の雫)」という、「雪」の字を含む別名があります。よく似た花に「スズランスイセン(鈴蘭水仙)があります。こちらは「スノーフレーク(snowflake)」と呼ばれます。
Feb/24/2008
「フクジュソウ(福寿草)」です。「福」に「寿」と、めでたい名前ですね。まだ寒い日でしたが、山吹色の花が咲き始めていました。「間もなく春」という季節に咲くことから、「ガンジツソウ(元日草)」という別名があります(ここでいう元日は旧暦の元日で、新暦の1月下旬から2月中旬頃に当たります)。花径は3-5cmと比較的大きく、よく目立ちます。優しい色合いが、愛らしいのですが、有毒だとのことですので、口にするようなことは避けてくださいね。根は強心薬として利用されるそうです(いずれも広辞苑)。
Feb/17/2008
「シネラリア(cineraria)」です。ただ、「シネ(死ね)」という言葉を嫌い、「サイ」と呼び変えて、「サイネリア」と呼ばれることもあるようです。とても花数が多く、鉢から溢れんばかりに咲き誇ります。白やピンクのものもあり、どれも慎ましやかな色で、本当に可愛らしい花ですね。まだ幾らか寒い季節から咲き始める貴重な花です。別名を「フウキギク(富貴菊)」「フキザクラ(富貴桜)」といい、花の多さを「富」、それでいて清楚な感じを「貴」に当てたものでしょうか。とても良い名前だと思います。
Feb/10/2008
「ウメ(梅)」が咲き始めました。この花は何時も、寒い季節の峠も越えて、穏やかな季節が近いことを予感させてくれます(まだ暫く厳しい季節が続く地方の方には申し訳ありませんが)。幹は無骨ですが、花は慎ましやかで、本当に可愛らしいですね。実(み)は、手を加えることによって、防腐・整腸・解熱・鎮痛などの効用があるそうです。そういえば「弁当には梅干」でしたね(年齢が分かってしまう)。英名を「Japanese apricot」といいますが、「apricot」は「アンズ」のことで、よく似ています。
Jan/27/2008
「コチョウラン(胡蝶蘭)」です。「ファレノプシス」という学名で呼ばれることもあります。優しい色合いで、清楚で優雅ですね。この季節、寒さに弱いことと水をやり過ぎないことに気を付ければ、1-2ヶ月程咲き続けます。よく似た花に「デンファレ」があります。この名前は「デンドロビウム・ファレノプシス」を縮めたもので、「ファレノプシス」に花の様子が似ていることから、そう呼ばれます。「デンファレ」は、茎に竹のような節がありますが、「コチョウラン」には節がありません。
Jan/20/2008
「キダチアロエ(木立アロエ)」です。単に「アロエ」と呼ばれることもあるようですが、「アロエ」という呼称は、たくさんある種類の総称と覚えていただいた方が良いかと思います。肉厚のトゲのある葉が印象的ですが、この季節にオレンジ色の花も良く目立ちます。薬用・食飲料用・美容用などに利用されるそうです。そこで、別名「医者いらず」とも呼ばれます。すごいですね。ただ、たくさんの種類の中でも効用があるのは、「キダチアロエ」「アロエ・ベラ」などに限られるそうです。
Jan/12/2008
「ウキツリボク(浮釣木)」です。確かに、水面に浮いた浮き(釣糸に付けて目印にする道具)にも見えます。或いは「チロリアン・ランプ(tirolean lamp)」「アブチロン "チロリアン・ランプ"」とも呼ばれる花です。赤く見える部分は萼(がく、開花前の花を保護する役目をします)で、下に見える黄色い部分が花です。その下にぶら下がっているのが蕊(しべ、生殖器官です)です。名前の通りランプのようで、可愛らしいですね。春頃から咲き始め、この時期になっても楽しめます。