May/10/2009
「ユウゲショウ(夕化粧)」です。近くの公園で、1cm程のピンクの花が咲き始めました。本来は観賞用の植物だったそうですが、今では野生化して、いたるところで見ることができます。比較的まとまって咲いていることが多く、その上、色合いがしっかりしているので、よく目立ちます。アカバナ科マツヨイグサ属で、「マツヨイグサ」と同じように、夕方から咲き始めることから「夕化粧」の名になったそうですが、この近くでは、日中でも開いています。「夕化粧」の名が付いたのは、「マツヨイグサ属は夕方から咲き始める」からなのか、「実際に夕方から咲き始める」からなのか、はっきりとは分かりませんでした。
May/3/2009
「セリバヒエンソウ(芹葉飛燕草)」です。近くの公園で、青紫色の花が咲いていました。花は2cm程、草丈は20cm前後でしょうか。優しい紫色と特徴のある形の花が、とても可愛らしいですね。「ヒエンソウ(飛燕草)」は、燕の飛んでいる様子に似ていることからの名で、確かに、花びらは翼を広げた形に、距(きょ、後方に伸びているところ)は尾に、見えます。この名を思い付いた方の想像力に、脱帽です。そこに、「セリ(芹)」の葉に似ていることから、「セリバ」が付きました。以前に比べて、あちこちで見掛けることができるようになりました。数が増えているように思うのですが、気のせいでしょうか。もうそろそろ、見納めの時期です。興味のある方は、お急ぎください。
Apr/26/2009
「ハマダイコン(浜大根)」です。海沿いの道路を走っていると、海側に、紫がかったピンクや白色の花が、途切れずに咲いていることに気付きました。気になって、車を止め、近づいてみるとダイコンの花でした。そういえば近くの畑のダイコンも満開だった、と納得しかかりましたが、どこか違う、どこが違うのかはっきりとはいえないけれども、やっぱり違う、・・・。そこで、近くの方に尋ねると、「ハマダイコン」だと教えていただきました。根は食用にならないそうですが、群生しているところなどは、それは見事です。花の形では区別ができませんが、白色か薄い紫色のダイコンの花よりも色鮮やかで、葉はダイコンよりも少し小さめでしょうか。
Apr/12/2009
「ユキヤナギ(雪柳)」です。可愛らしい花ですね。一つ一つの花は1cm前後、樹高は1-2m程でしょうか。小さな純白の五弁花が、枝垂れる枝に沿って、密集して咲き並びます。満開になると、その辺りだけ、ひときわ明るく感じる程です。日本原産だそうで、昔から多くの人に好まれている花なのでしょう、あちこちで見掛けることができます。ただ、Wikipediaによると、「自生種は石川県で絶滅危惧I類に指定されているなど、地域的には絶滅が危惧されている」そうです。柳のような枝に雪が降り積もった様子から、「雪柳」となったようですが、とても良い名前ですね。「コゴメザクラ(小米桜)」「コゴメバナ(小米花)」「コゴメヤナギ(小米柳)」などとも呼ばれます。
Mar/29/2009
「ヒメオドリコソウ(姫踊子草)」が咲き出しました。近くの空き地では、ピンクの花が群生していいて、それは見事です。名前は、花を踊り子に見立てたものだそうですが、傘を差しているのか、また、笠を被っているのか、どちらをイメージしたものでしょうか。花は唇形花(しんけいか、筒状の花でその先端の上下の花弁の形が違う花を指します)で、長さは10mm程、幅は4mm程、草丈は20-30cm程です。葉はハート形で、上部にいくにつれて、暗い赤紫色になります。彫りの深い葉脈(ようみゃく、水分や養分を通すための管です)が印象的ですね。「ヒメ」の付かない「オドリコソウ(踊子草)」は、名前こそ似ていますが、花の色や形や大きさなどの様子はかなり違います。
Mar/22/2009
「カタクリ(片栗)」です。春に先駆けて、枯草や落ち葉の間から花茎を伸ばし、その先に花を付けます。下向きに花開き、花弁の先を跳ね上げる形は、何ともいえない可愛らしさですね。花の色も落ち着いたピンク色です。花は5cm程、草丈は20cm前後でしょうか。「カタクリ粉」は、今でこそジャガイモなどの澱粉を使っていますが、元々はこの「カタクリ」の球根から精製した澱粉でした。乱獲などで数が減ってしまったからだそうです。心ない行為は、本当に淋しいことですね。似た花に、「シロバナカタクリ」や「キバナカタクリ」もありますが、これらは外国原産で「ヨウシュカタクリ」「セイヨウカタクリ」と総称されます。日本産の「カタクリ」は基本的にはピンク色で、稀に白色もあるようです。
Mar/15/2009
「フクジュソウ(福寿草)」です。草丈は10-20cm程で、それ程大きくはなりませんが、4-5cm程の花は、良く整った形をしていて、輝くような黄色です。葉は、蕾の頃は茶褐色をしていますが、花が盛りの頃になると緑色に変わります。その黄と緑の色合いは、それはそれは素晴らしいです。旧暦の正月頃(新暦では概ね一月下旬から三月上旬)から咲き出すことから、めでたい「福」と「寿」の字を連ねたもののようです。別名も「元日草(ガンジツソウ)」「朔日草(ツイタチソウ)」「寿草(コトブキグサ)」と、この季節に貴重な花だったことが窺われますね。ただ、Wikipediaによれば、「根にはアドニンという毒成分を含む」そうですので、目で愛でるだけにしておくのが良いかもしれません。
Mar/8/2009
「ミチタネツケバナ(路種漬け花)」です。花は5mm程、草丈は10-20cm程と大変小さな花です。初めは「タネツケバナ(種漬け花)」かと思いました。というよりも、「ミチタネツケバナ」を初めて知りました。これまで、「タネツケバナ」だと思っていたものは、「ミチタネツケバナ」だったのかもしれません。今となっては確認するすべもないのですが、・・・。二つは、雄蕊(おしべ)の本数で見分けるそうで、「ミチタネツケバナ」は4本、「タネツケバナ」は6本、とのことです。これからはよく注意しないといけませんね。稲籾を水に漬ける頃に咲く、ということから「タネツケ」の名が付きました。
Mar/1/2009
「クリスマス・ローズ(christmas rose)」です。クリスマスの頃に咲くバラに似た花、ということから名付けられました。一般に、12月頃に咲くものは、「ニゲル(日本クリスマスローズ協会の表記)」或いは「ニガー(
Helleborus niger)」と呼ばれる種で、この花のように2月頃に咲くものは、「オリエンタリス(
Helleborus orientalis)」と呼ばれるようです(たくさん種類がありますので、違うかもしれません)。派手さはなく、質素な花ですが、寒さに耐えながら、うつむき加減に咲くところなどは、何ともいえない可愛らしさですね。八重咲きや、花の色としては珍しい緑や黒(濃暗紫)の品種があります。もう暫く、楽しめそうです。
Feb/22/2009
梅シリーズ、今週は「オウバイ(黄梅)」です。花は2-3cm程、花弁の先端が少し赤味を帯びる優しい黄色の六弁花(五弁花や八重咲きもあるそうですが未見です)です。樹高は50cm-100cm程と、あまり高くならず、枝垂れながら、全体がこんもりとした感じになります。生垣などに利用されているところを見掛けますね。春に先駆けて咲くことから、別名を「ゲイシュンカ(迎春花)」といいます。その名の通り、寒さが厳しい季節に、そこだけが明るく光っているようで、本当に綺麗で心温まります。花が「ウメ」に似ていることから「梅」の名が付きますが、バラ科ではなく、モクセイ科です。
Feb/15/2009
先週に引き続いて、今週は白い「ウメ(梅)」です。蕾の時には、うっすらとピンク色をしていますが、花開くと、長い花糸(かし、雄蕊の一部で葯を支える部分)、その先に黄色い葯(雄蕊の一部で花粉が入っている部分)、純白の花弁(花びら)、見事ですね。この近くでは、紅梅は八重咲きのものが多いのですが、白梅(ハクバイ、シラウメ)は、むしろ、五弁花の方が多いようです。いずれも、八重咲きは豪勢な感じがしますが、個人的には、慎ましやかで飾り気のない五弁花が好きです。昨日今日と、季節外れの暖かい日で、一気に満開になりました。これから、もう一度、見に行こうかと思っています。
Feb/8/2009
近くの「ウメ(梅)」が咲き出しました。柔らかいピンク色が何とも可愛らしいですね。バラ科サクラ属で、基本は五弁花ですが、最近は、むしろ、五弁花を見ることは少なくなりました(気のせいでしょうか、或いは、この辺りだけのことでしょうか)。広辞苑によれば「平安時代以降、特に香を賞で、詩歌に詠まれる」とありますが、写真の花は、殆んど匂いませんでした。これから、なのかもしれませんが、・・・。ともあれ、暫くは楽しめそうです。そして、モモ、アンズ、サクラ、・・・とサクラ属の花が咲き続きます。それを考えただけで、暖かい季節は、もうすぐ、という気になります。
Feb/1/2009
「スイセン(水仙)」です。近くの土手で野生化した(或いは、どなたかが植えたものでしょうか)「スイセン」が咲いていました。「スイセン」は、大変品種が多いのですが、写真は小杯形(小盃形)、或いは、小カップ形と呼ばれる種類だと思います。可愛らしい花ですね。白い部分が花弁(花びら)で、この花弁全体を花冠といい、内側の黄色い部分は副花冠といいます。副花冠というののは、「花弁に似ていますが花びらではないもの」という意味です。「スイセン」の英名は、学名の一部"narcissus"で、ナルキッソスと読み、ギリシア神話に出て来る美青年の名前です。「ナルシスト」の語源となりました。
Jan/25/2009
「スノードロップ(snowdrop)」です。そのまま日本語にした「ユキノシズク(雪の雫)」とも、また「マツユキソウ(待雪草)」「ユキノハナ(雪の花)」とも呼ばれます。純白の花で、寒さが厳しい季節に咲き出すその姿は、まさに「雪」の名がピッタリですね。草丈は20cm前後、花びらは六枚、外側の三枚は大きく純白、内側の三枚は小さく、花びらの先が緑色になります。その小さい花びらを、守るように、抱くように、慈しむように、下向きに咲く様子は、何とも言い難いいとおしさです。花言葉は「希望」だそうです。寒さの厳しい季節は、暖かい季節が、もう遠くない、ということを約束してくれている、ということでしょうか。
Jan/18/2009
「ソシンロウバイ(素心蝋梅)」です。寒さも、まだまだこれから、という季節に、黄色の花を咲かせます。空気は冷たいのですが、この花の周辺は、明るく、そして、ほんのり温かみが感じられます。花は蝋(ろう)のような光沢があることから、「ロウバイ(蝋梅)」と呼ばれます。いわゆる「ロウバイ(蝋梅)」は、花の中央部が茶褐色をしていますが、この花は全体が黄色で、区別するために「ソシン(素心)(多分、中心部が周辺部と同じ、というような意味でしょうか)」という名が頭に付きました。蕾を干したものは、咳止めや解熱などの効果のある薬として用いられるそうです。
Jan/11/2009
今年初めての花は「ヒナギク(雛菊)」です。或いは、「デイジー(daisy)」という名前のほうが良く知られているかもしれませんが、個人的には「雛菊」の名がとても気に入っています。寒さに強く、冬の初めから春先までの長い間楽しめます。花は2-3cm程、草丈は20cm程でしょうか。派手ではありませんが、形といい、色合いといい、本当に可愛らしい花ですね。写真は管状花(かんじょうか、花弁が管状・筒状になっているもの)ですが、他にも舌状花(ぜつじょうか、花弁が舌のような形のもの、多くの花はこの形です)の品種もあり、5cm前後の中輪、7cm以上もある大輪など、大きさも形も豊富です。