【日本語を読むための漢字辞典】 『動物漢字の辞典』 【魚3】 |
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b10801 W2429 H82-46 @46287
『増刊下学集』・『易林本小山板節用集』・『同文通考』・『和字正俗通』などに「ドヂャウ」、『明応五年版節用集』に「トテウ」、『天正十七年本節用集』に「ドジャウ」とある。
『日本魚名集覧』は『水産名彙』・『水産俗字解』などを引いて「ドジョオ」とする。
『篇目次第』に「以周切 ユ反 ハエ」と注文に反切があるが、『中華字海』には「音義待考。字出《ISO-IEC DIS 10646通用編碼字符集》」とある。
b10802 W2430 H82-48 @46285
『新撰字鏡小学篇』に「奈万豆」、『増刊下学集』・『元和三年板下学集』などに「ナマツ」、『拾篇目集』に「子ム反 ナマツ」、『米沢文庫本倭玉篇』・『玉篇要略集』に「子ン ナマツ」、『弘治二年本節用集』・『天正十七年本節用集』に「アユ」とある。
『中華大字典』は日本字として「似鮎」、『漢語大字典』は『清稗類鈔』を典拠に「同鮎」とする。これからすると国字が中国に輸出されたとも見えなくもないが、『倭名抄』が漢籍『食經』を引用することも無視できない。
b10803 W2431 H82-44 @46243
b10804 W2432 H82-47 @46286
漢和辞典は「シャチ」の意の国字としているが、古字書はそうではない。『米沢文庫本倭玉篇』に「ヒラメ」、『温故知新書』に「鮟鯱 アンコウノ」とある。
『歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典』に「金鯱噂高浪(こがねのしゃちほこうわさのたかなみ)明治35年1月初演」とある。「シャチ」は新しい読みか。
b10804a W2433
『倭字攷』が『東海道中膝栗毛』を引き、「シヤチホコ」とする。
b10805
『篇目次第』に「丁公切 テウ反」とある。
b10807
『天正十七年本節用集』に「ウルカ」とある。
『角川古語大辭典』に「うるか【[鮎-占+條][鮎-占+(豚-月)]・潤香】鮎(あゆ)の腸。またはその塩辛(しほから)」とあり、『下学集』から「[鮎-占+老]鱗 ウルカ」と引く。他の表記法等、同書に詳しい。
b10808 W2435 H74-92
『日本魚名集覧』が『岩波動物學辭典』を引いて「スケトオダラ」とする。
b10809 W2436 @46288
『名義抄』・『世尊寺本字鏡』に「ハム」、『篇目次第』に「ハム 无」、『書言字考節用集』に「カマス 未詳」とある。
b10810 W2437
『拾篇目集』に「コヒ」とある。
b10811 W2438
『国字の字典』が『サカナの雑学』を引き「堅魚(かつお)」の意の国字とする。
b10812 W2439
『国字の字典』が『和字正俗通』から「カラカコ」と引き「義々(ぎぎ)」の意の国字とする。ただ影印では「カラカコ」と判読しがたい。
b10813 W2440
『易林本小山板節用集』に「キギフ」、『和字正俗通』に「ギギ」とある。魚名「ぎぎ」の意の国字か。
b10814 W2441
b10815 W2442
『国字の字典』が、サカナの雑学(こい)を引いて国字とする。
『中華字海』が明の『常[徳(旧字体)]府志』を引き「同[鮎-占+完]」とするが、『名義抄』に「コヒ」とあり、国字か否か微妙なところである。
b10816 W2443
b10817 W2444
『世尊寺本字鏡』に「タカニ」、『篇目次第』に「タカマ 无」とある。
『国字の字典』が『サカナの雑学』を引き「タナゴ」の意の国字とする。
b10818 W2445
『国字の字典』が『サカナの雑学』を引き「伊勢海老(いせえび)」の意の国字とする。
b10819 W2446
『日本魚名集覧』が『水産名彙』を引いて「カツオ」とする。『国字の字典』が『サカナの雑学』を引き「堅(かつお)」の意の国字とする。
b10820 W2447
『名義抄』に「河ヒヲ」とある。「氷魚(ひお)」は鮎の稚魚のこと。
b10821 W2449
『国字の字典』が『サカナの雑学』を引き「腸香(わたか)」の意の国字とする。
b10823 W2451
「大相撲博物館」に所蔵されている明和二年十月場所の番付表に「[{魚-(杰-木)+大}+{土*(木++寸)}]ヶ洞岩右衛門」という力士名がある。この読みが判明しないとのことで諸書に引用されているが、翻刻が一様ではない。いずれも偏が「魚」になっているのは同じであるが、旁が種々異なる。
『国字の字典』が「土」の下を「村」とするほか「付」とするものもある。
また『古今大相撲力士事典』は旁を「寿」とする。[鮎-占+壽]の異体字とすれば「大魚」の意の漢字で強そうな醜名であるが、[鮎-占+時]の異体字とすれば「ハソ エソ」などのほかに「イハシ」の訓もあり、あまり強そうな醜名ではなくなる。いずれにしても確定的な読みはつけられていない。この番付表は一般公開されていないので、明朝体の制限の中で原本に最も忠実と考えられる字形を親字として掲げた。
b10824 W2452
「はえ(はや)」などの意の国字とされることが多く、『漢韓最新理想玉篇』も「日本字 白魚」とする。
『世尊寺本字鏡』・『字鏡集寛元本』に「ヒヲ ハエ」、『字鏡鈔』・『字鏡抄』に「ヒヲ」、『拾篇目集』に「ヒヲ イワシ ハエ」とある。
『漢語大字典』が宋の『夢梁録』を典拠に「魚名、比目魚類、也作[笠-立+弱]」とする。国字ではなく、国訓と考えられる。
b10825 W2453
『国字の字典』が『サカナの雑学』を引き「皮剥(かわはぎ)」の意の国字とする。
b10901 W2454
海魚の一種「ハタハタ」の意の国字。苗字に[鮎-占+神](いなだ)がある。
b10902
『名義抄』に「ハソ」とある。
b10903
『篇目次第』に「音シャク サメ 无」とある。
b10904 W2455 H82-58 @46314
b10905 W2456 H82-60
b10906 W2457 H82-56 @46340
『名義抄』に「音雹 一音伏 鮑一名」、『篇目次第』に「歩角切 ロク反 アハヒ フクヘ」とある。
b10907
『名義抄』に「サハラ」、『篇目次第』に「ウクヒ サハラ 无」、『拾篇目集』に「ウツヒ サワラ」とある。
b10908 W2458
『篇目次第』に「ツチスリ 无」とある。『字鏡抄』・『字鏡集寛元本』にもやや崩れた字形で「ツチスリ」とある。「ツチスリ」とは、魚の腹の肥えたところ「すなずり」のこと。偏を「魚」に変えて意を強めた「腴」の異体字であろうか。
b10909 W2459
『名義抄』に「音度皆鯉魚」、『世尊寺本字鏡』に「ト音 コヒ 皆鯉魚也」、『色葉字類抄(永禄八年写二巻本)』に「コイ」、『拾篇目集』に「コヒ」とある。
『字鏡鈔』・『字鏡抄』・『字鏡集寛元本』・『篇目次第』に「エヒ」とあるのは、誤りであろうか。
b10910 W2460
魚名「ぎぎ」の意の国字。『明応五年版節用集』に「ギギ」、『易林本小山板節用集』に「ギギフ」、『同文通考』・『和字正俗通』に「ギギ」とある。『拾篇目集』には「コン反 ハエ イヲノコ」とあり、[鮎-占+皆]や[鮎-占+異]などとの混乱が見られる。
b10911 W2461
『新撰字鏡小学篇』に「波良加」、『倭名抄』に「[鮎-占+宣]魚 辨色立成云[鮎-占+宣]魚 波良可音宣今案所出未詳本朝式用腹赤二字」、『名義抄』に「音宣 未詳 ハラカ」、『字鏡鈔』・『字鏡抄』・『字鏡集寛元本』に「セン ハラカ エヒ」、『早大本節用集』・『天正十七年本節用集』などに「ハラカ」、『拾篇目集』に「セン音 ハラカ」、『玉篇要略集』に「ハラカ セン」、『篇目次第』に「セン反 ハラカ 无」、『元和三年板下学集』に「ハラカ 腹赤也」とある。
b10912 W2462 H75-11 @46355
『大漢和辭典』に「國字 むろあぢ」とあるが、典拠はない。
『中華字海』に「日本地名用字。〔[鮎-占+室]碆〕在高知県」、『中華大字典』は「日本字。魚名。似鰺」とある。
b10913
『世尊寺本字鏡』に「イシモチ」とある。
b10914 W2464
b10915 W2465
『サカナの雑学』に「アザラシ トド」とある。
『国字の字典』は字形を誤ったうえに「トド」を「鯔」の成長したものとするが、「アザラシ トド」とあることから、海獣の「トド」のことであると考えられる。
b10916 W2466
『国字の字典』が『サカナの雑学』を引き「えい」の意の国字とする。
b10917 W2467
『世尊寺本字鏡』に「止不呼」とある。「トビウオ」の意の国字か。
b10918 W2468
『字鏡鈔』・『字鏡抄』に「イ イシフシ」、『篇目次第』に「イシフシ 无」、『拾篇目集』に「イシフシ チヽカフリ」、『玉篇要略集』に「イシフシ ツイ」とある。
『字鏡集寛元本』には、「イシフシ チヽカフリ クラシ フクヘ」の読み、音注「イ」のほかに、「与之反」と反切もある。
b10919 W2469
『運歩色葉集』・『天正十七年本節用集』にやや崩れた字形で「アラ」とある。
b10920 W2470
『サカナの雑学』に「カツオ」とある。
b10921 W2471
『米沢文庫本倭玉篇』に「ザッコ」とある。
b10922
『名義抄』に「カツヲ」とある。中国でも同じ意味である。
b10923 W2472
あゆ。典拠未詳のNEC外字(拡張文字ではない)。典拠をご存じの方は御教示ください。
b10924
『拾篇目集』に「サン反 チヌ」とある。
b10925
『名義抄』に「飛音似鮒」とある。
b10926
『拾篇目集』に「ウクラ」とある。
b11001 W2473 H16-83 @46413
「いわし」の意の国字であるが、中国や韓国でも日本と同じ意味で使われる。両国の規格にあるが、『中華大字典』・『漢韓最新理想玉篇』は日本字とする。
『名義抄』に「イハシ 未詳」、『増刊下学集』に「イワシ」、『温故知新書』に「イハシ」とある。
『拾篇目集』には「イワシ」の訓のほか「ヒヤウ反」とある。中国の佚書の影響でもあるのだろうか。
b11002
「鰛」に同じ。
b11003 W2475 H82-63 @46374
『廣韻』に「力求切」とあり、国字ではない。『大漢語林』は「鯔を日本で鰡に書き誤り、のち中国でも認められた」とするが、『廣韻』や『廣韻』が典拠とした字書などが編纂される前にその様なことがあったのだろうか。
『玉篇要略集』に「ナヨシ リウ」、『弘治二年本倭玉篇』に「リウ ウナキ ナヨシ」、『拾篇目集』に「リウ反 ウナキ ナヨシ」、『増刊下学集』・『天正十七年本節用集』に「ナヨシ」とある。
b11004 W2476 H82-64 @46414
海魚の一種「ハタハタ」の意の国字。苗字に鰰沢(いなさわ いなざわ)がある。
b11005 W2477
『国字の字典』が『サカナの雑学』を引き「細魚(さより)」の意の国字とする。
b11006 W2478
『書言字考節用集』に「アハビ」とある。『倭字攷』は『音訓國字格』を典拠に「ふぐ」とする。
b11007 W2479
『日本魚名集覧』が『水産名彙』・『水産俗字解』を引いて「アナゴ」とする。
b11008 W2480
『新撰字鏡小学篇』に「左波」、『名義抄』に「アハヒ アヲサハ」、『世尊寺本字鏡』に「アヲサハ 左波」とある。
b11009 W2481
『国字の字典』が『魚名博覧』を引き「[鮎-占+危](はや)」の意の国字とする。
b11010 W2482
『世尊寺本字鏡』に「アハラ」とある。
b11011 W2483
『国字の字典』が『サカナの雑学』を引き「鎌切(かまきり)」の意の国字とする。
b11012 W2484
『名義抄』に「アミ」とある。『国字の字典』が『サカナの雑学』を引き「醤蝦(あみ)」の意の国字とする。
b11013 W2485
『国字の字典』が『歌舞伎評判記集成・役者万石船』から「[鮎-占+素]走(すばしり)飛魚(とびうお)なんどを」と引く。
b11014
『篇目次第』に「音烏 音ヲ 音ウ」とある。
b11015
『名義抄』に「音時 ハソ」、『拾篇目集』に「ハソ」とある。
b11016
『拾篇目集』に「ツクラ」とある。
b11017
『名義抄』に「音連」とある。
b11018
『名義抄』に「ミツチ」とある。