4.1. 一般要求事項
組織は、この要求事項に従って、品質マネジメントシステムを確立し、文書化し、実施し、
かつ、維持
することしなければならない。
また、その品質マネジメントシステムの有効性を継続的に改善
することしなければならない。
組織は、次の事項を実施
することしなければならない。
a) 品質マネジメントシステムに必要なプロセス及びそれらの組織への適用を明確にする(1.2参照)
b) これらのプロセスの順序及び相互関係を明確にする。
c) これらのプロセスの運用及び管理のいずれもが効果的であることを確実にするために必要な判断基準及び方法を明確にする。
d) これらのプロセスの運用及び監視の支援をするために必要な資源及び情報を利用できる事を確実にする。
e) これらのプロセスを監視
し、
測定及び分析する適用可能な場合には測定し、分析する。
f) これらのプロセスについて、計画どおりの結果が得られるように、かつ、継続的改善を達成するために必要な処置をとる。
組織は、これらのプロセスを、この規格の要求事項に従って運営管理
することしなければならない。
要求事項に対する製品の適合性に影響を与えるプロセスをアウトソースすることを組織が決めた場合には、組織がアウトソースしたプロセスに関して確実に
することしなければならない。
アウトソースしたプロセスの管理について、組織の品質マネジメントシステムの中で明確にすること。これらのアウトソースしたプロセスに適用される管理の方式及び程度は、組織の品質マネジメントシステムの中で定めなければならない。
参考1. 注記1 品質マネジメントシステムに必要となるプロセスには、運営管理活動、資源の提供、製品実現
及び測定にかかわるプロセスが含まれる。、測定、分析及び改善にかかわるプロセスが含まれる。
参考2.注記2 ここでいう、”アウトソース”とは、あるプロセス及びその管理を外部委託することである。”アウトソースしたプロセスを確実にする”とは、外部委託したプロセスが正しく管理されていることを確実にすることである。”
アウトソースしたプロセス”とは、組織の品質マネジメトシステムにとって必要であり、その組織が外部に実施させることにしたプロセスである。
注記3 アウトソースしたプロセスに対する管理を確実にしたとしても、すべての顧客要求事項及び法令・規制要求事項への適合に対する組織の責任が免除されるものではない。アウトソースしたプロセスに適用される管理の方式及び程度は、次のような要因によって影響され得る。
a) 要求事項に適合する製品を提供するために必要な組織の能力に対する、アウトソースしたプロセスの影響の可能性
b) そのプロセスの管理への関与への度合い
c) 7.4の適用において必要な管理を遂行する能力
4.2. 文書化に関する要求事項
4.2.1. 一般
品質マネジメントシステムの文書には、次の事項を含め
ることなければならない。
a) 文書化した、品質方針及び品質目標の表明
b) 品質マニュアル
c) この規格が要求する”文書化された手順”
及び記録
d) 組織内のプロセスの効果的な計画、運用及び管理を確実にするために、組織が必要と
判断した文書決定した記録を含む文書
e) この規格が要求する記録
参考1注記1 この規格で”文書化された手順”という用語を使う場合には、その手順が確立され、文書化され、実施され、
かつ、維持されていることを意味する。
一つの文書で、一つ又はそれ以上の手順に対する要求事項を取り扱ってもよい。
”文書化された手順”の要求事項は、複数の文書で対応してもよい。
参考2注記2 品質マネージメントシステムの文書化の程度は、次の理由から組織によって異なることがある。
a) 組織の規模及び活動の種類
b) プロセス及びそれらの相互関係の複雑さ
c) 要員の力量
参考3注記3 文書の様式及び媒体の種類は、どのようなものでもよい。
4.2.2. 品質マニュアル
組織は、次の事項を含む品質マニュアルを作成し、維持
することしなければならない。
a) 品質マネジメントシステムの適用範囲。除外がある場合には、
その除外の詳細
と、除外を正当とする理由(1.2参照)
b) 品質マネジメントシステムについて確立された”文書化された手順”又はそれらを参照できる情報
c) 品質マネジメントシステムのプロセス間の相互関係に関する記述
4.2.3. 文書の管理
品質マネジメントシステムで必要とされる文書は、管理
することしなければならない。ただし、記録は文書の一種ではあるが4.2.4に規定する要求事項に従って管理
することしなければならない。
次の活動に必要な管理を規定する
ために、”文書化された手順”を確立
することしなければならない。
a) 発行前に、適切かどうかの観点から文書を承認する。
b) 文書をレビューする。また、必要に応じて更新し、再承認する。
c) 文書の変更の識別及び現在
の改訂有効な版の識別を確実にする。
d) 該当する文書の適切な版が、必要なときに、必要なところで使用可能な状態にあることを確実にする。
e) 文書
がは、読みやすく
かつ容易に識別可能な状態であることを確実にする。
f)
どれが外部で作られた文書であるかを品質マネジメントシステムの計画及び運用のために組織が必要と決定した外部からの文書を明確にし、その配布が管理されていることを確実にする。
g) 廃止文書が誤って使用されないようにする。また、これらを何らかの目的で保持する場合には、適切な識別をする。
4.2.4. 記録の管理
記録は、要求事項への適合及び品質マネジメントシステムの効果的運用の証拠を示すために
作成された記録を、作成し、維持すること管理しなければならない。
記録は、読みやすく、容易に識別可能で、検索可能であること。組織は、記録の識別、保管、保護、検索、保管期間及び廃棄に関して必要な管理を規定するために、”文書化された手順”を確立しなければならない。
記録の識別、保管、保護、検索、保管期間及び廃棄に関して必要な管理を規定するために、”文書化された手順”を確立すること。記録は、読みやすく、容易に識別可能かつ検索可能でなければならない。