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[辞典・用語][品質マネジメントシステム(ISO9001)][用語集]


ISO9001

ISOは、国際標準化機構(英表記 International Organization for Standardization)のことです。
この国際標準化機構が定めた、品質管理・品質保証に関する規格が、ISO9001です。
日本では、この翻訳版が、JIS Q 9001として日本工業規格になっています。

アウトプット(output)

この規格ISO9001では、ある行為の結果生み出されたもの、という意味で用いられます。

維持

目的とする状態を保ち続けること、という意味で使われます。

インプット(input)

この規格ISO9001では、仕事をしようとする際に必要となるもの、という意味で用いられます。
「必要となるもの」には、材料はもちろんのこと、その材料をどう加工するのかという情報も必要でしょうし、出来上がったもの(アウトプット)をどうすればよいかという情報も必要になります。それら全てをインプットといいます。

インフラストラクチャー(infrastructure)

「6.3.インフラストラクチャー」の「インフラストラクチャー」は、製品を製造(サービスを提供)するために必要な、施設・設備・支援体制(輸送・通信・情報システムなど)を指します。

外部審査

大別して次の二つがあります。

管理責任者

トップマネジメント(経営者)に代わり、品質マネジメントシステム(QMS)を計画・実施・(品質マネジメントシステムを有効な状態に)維持する人です。
トップマネジメント(経営者)が兼任することも、複数人を選任することもできます。
管理責任者の責任と権限は、「5.5.2.管理責任者」に定められています。

規格要求事項

この規格ISO9001が求めていること。
つまり、「こうして下さい」と言っていることを指します。

記録

この規格ISO9001では、さまざまな記録を残すよう要求しています。
これには、以下のような目的があります。
「決められた通りに行われているか、その仕組みは目標通りの効果を上げているか」を判断するために、基準が必要になりますが、それを定めておくものが文書ということになります。
文書には、品質マネジメントシステム(QMS)の基本方針を定めた「品質マニュアル」や、作業の手順を定めた「手順書」など、があります。

継続的改善

どんなものでも、初めから最善のものはないと思いますし、状況が変われば、それまでは有効だったものでも、役に立たなくなる、ということは良くあります。
そこで、運用しながら改善・改良を積み重ねて、次第に良いものにして行く、状況に対応して行く、というのが一般的です。
この規格ISO9001では、この作業を「継続的改善」と言っています。
継続的改善については、「8.5.1.継続的改善」を参照して下さい。

購買

物品の購入、サービスを受けること、仕事を他社に委託すること(外注)、などを指します。
購買については、「7.4.購買」を参照して下さい。

顧客

組織が製品やサービスを提供する対象者で、固定の顧客の場合もありますし、不特定多数の顧客の場合もあります。
直接取引をする顧客ばかりでなく、既成品を製造する場合は、小売店や消費者も顧客になります。
JAB ISO9001 Workshopでは、顧客を「製品を受け取る組織又は人」と定義し、例として、「消費者、依頼人、エンドユーザー、小売り業者、受益者及び購入者」を挙げています。

顧客重視

この規格ISO9001の基本で、顧客の要望・意向を重視し、顧客が満足する製品(サービス)を提供するよう求めています。
それによって、組織の技術や能力も向上し、顧客も満足する、相互にメリットがある、という考えです。
顧客重視については、「5.2.顧客重視」を参照して下さい。

顧客満足

顧客が求めている「こと」や「もの」に対する、顧客の満足の度合い、を言います。
この規格ISO9001の基本で、常に顧客の評価を収集し、苦情やクレームの情報は、再び同じ指摘を受けないようにするために、満足しているという情報は、更に良いものを作るために、活用する、その結果は相互の利益になる、という考えです。

顧客要求事項

顧客からの製品(サービス)に対する指示事項(製品の仕様、製品の品質、納期、納入場所など)をいいます。
直接的に指示されることは勿論、従来からの慣習や法律などで決まっている「指示はなくても当然のこと」も含みます。

識別

全ての工程や作業で、他の製品(原材料・部品・中間品・完成品を問いません)と取り違えなどが起こらないように区別することです。
区別とは、「原材料なのか、中間品なのか、製品なのか」「組織のものなのか、顧客のものなのか」「出荷しても良いものか、まだ出荷してはいけないものか」「良品なのか、不良品なのか」「製品なのか、サンプルなのか」、といろいろあると思います。
これを、置き場所を決めておく、札を付けておく、など識別の方法はいろいろと考えられます。
識別については、「7.5.3識別及びトレーサビリティ」を参照して下さい。

資源

製品やサービスを提供するために必要な人や設備や環境などを指します。
資源については、「6.資源の運用管理」を参照して下さい。

システム(system)

品質マネジメントシステム(QMS)は、幾つかの工程や作業など(要素といいます)から成っています。
この工程や作業は、それぞれ手順や決まりごとから成っていますから、一つのシステムと考えることができます。
この工程や作業(小さなシステム)が相互に関連している場合は、互いに仕事の受け渡し方法などを決めます。
こうして初めて、全体が機能することになります。
この状態を指してシステムと言います。
一般論としては、幾つかの要素が相互に関連を持ち、全体として機能する一つのまとまり、ということになるでしょうか。

製品

顧客の要望により製造する製品(提供するサービス)を指します。
製品には、既に出来上がっているものもありますし(既成品)、顧客の要望に従って製造(提供)するものもあります。
また、製品には、形があるものもありますし、形がないものもあります。

製品実現

製品を製造する(サービスを提供する)こと、を指します。
製品には、品物のように形のあるものもあれば、サービスのように形のないものもある、ということで「製造」ゃ「提供」ではなく、「実現」という言葉になったようです。

製品実現(の)プロセス

製品を製造する(サービスを提供する)工程・手順・作業などを指します。
「プロセス」という言葉は、様々な意味に使われますが、ここでは工程・手順・作業など、と考えれば分かりやすいと思います。

製品要求事項

その製品に求められていること、つまり、製品の仕様、価格、納期、その後のアフターサービス、組織内での作業上の決まり、法律や規制などで決まっていること、などを指します。

設計・開発

「顧客(間接的な顧客も含みます)とのやり取りを繰り返しながら、製品やサービスの最終的な形(仕様や使い方など)に作り上げる作業」と考えれば理解しやすいのではないかと思います。
ここで最終的な形ができれば、それ以降は自動的にやり方や進め方が決まります。
試作品・見本・設計図・手順などが含まれます。
設計・開発については、「7.3.設計・開発」を参照して下さい。

是正処置

不適合(不良品、事故・クレーム、仕組みの不具合など)が発見された場合に、原因を突き止め、それを取り除き、再び同じようなことが起きないようにするための処置のことです。
是正処置については、「8.5.2.是正処置」を参照して下さい。

組織

QMSが適用される組織。会社や団体などの場合もありますし、その内の、支社・支店・工場・事業所、また、同じ組織内の一部門である場合もあります。「自分のところ」と読み替えると分かりやすいかもしれません。

妥当性確認

この規格ISO9001では「客観的証拠を提示することによって,特定の意図された用途又は適用に関する要求事項が満たされていることを確認すること」と定義されています。

トップマネジメント(top management)

トップマネジメントは「経営者」の意味ですが、正確には組織の経営者ではなく、品質マネジメントシステム(QMS)が適用される組織に対し、責任と権限を持つ人のことです。
通常は社長であることが多いようですが、支社や工場単位で適用させる場合は、支社長或いは工場長であるかもしれません。

トレーサビリティ(traceability)

製品は、どのような仕様で、何時・何処で・誰によって作られ、組織内にある場合は、今何処にあるか、何時・何処で・誰によって引き渡しが行われ、誰が受領したか、が分かる(追跡できる)ようにしておくこと、の意味です。

内部監査

組織が独自に構築した品質マネジメントシステム(QMS)が、決められた通りに実施されているか、システムは有効かどうかを、組織内の人が確認する仕組みです。
内部監査を行う人を内部監査員といい、トップマネジメント(品質マネジメントシステムが適用される組織に対し責任と権限を持つ人)が任命します。つまり、トップマネジメントに代わって監査する、ということになります。

品質目標

以下の二つの意味で使われています。

品質マニュアル

品質マニュアルは、組織の品質マネジメントシステム(QMS)の基本的な考え方を示すもので、この規格ISO9001の条項に沿って、組織の実情に合わせ、分かりやすい表現で、作成していきます。
品質マネジメントシステム(QMS)の、憲法のような位置付けの文書です。
製品の製造(サービスの提供)に、直接間接に携わる人の、入門文書として使えるようなものが理想ですね。
品質マニュアルについては、「4.2.2.品質マニュアル」を参照して下さい。

品質マネジメントシステム(quality management system,QMS)

品質マネジメントシステムの基本は、顧客の要望・意向を重視し、顧客が満足する製品(サービス)を提供することを目的としたシステムを言います。
その規格がISO9001(JIS Q 9001)に定められています。
「品質マネジメントシステム」という言葉は、以下の三つの意味で使われています。

不適合

求められている「こと」や「もの」と違う、という意味に使います。
不適合品といえば、求められている仕様と違う製品、ということになります。
「~」が不適合といえば、「~」が決められた通りになっていない、ということになります。
ここでは、良し悪しを問わない、ということに注意する必要があります。
求められている「こと」や「もの」には、次のようなものがあります。

不適合品

予定した仕様と違う製品、使用に適さない製品、などを指します。
仕様には合っていないが使える、注文通りではないが使える、それでも不適合品と言います。
(不良品という表現を用いないのは、多分、「不良品=製品本来の機能がないか欠けているもの」と理解されやすいからではないかと思っています)

プロセス

仕事のやり方や手順を指す場合、仕事の流れを指す場合、工程を指す場合、また、単に過程を意味する場合、など様々な使い方がされます。
「製品実現のプロセス」といえば、製品を製造(サービスを提供)する工程、の意味になります。
「購買プロセス」といえば、物品の購入や仕事を他社に委託する際の手順(購入先の評価、選択、発注、受入など)、の意味になります。

プロセスアプローチ

「0.2.プロセスアプローチ」に述べられていますが、要約すると、作業や工程(プロセス)を整理・分類し、その相互関係を把握した上で、全体を管理する、方法ということでしょうか。
具体的には、その作業や工程の、全体の中での位置づけや、前後の作業とのつながりを考慮した上で、それぞれ作業の手順を決める、位置づけや前後のつながりが不明確では、作業がスムーズに流れません、ということのようです。

文書

文書とは、QMSの基本方針を定めた「品質マニュアル」や、作業の手順を定めた「手順書」など、目的・手順・判断基準などを定めたもの、を指します。
それに対して、
に残すものを記録といいます。

文書化された手順

手順を文書にして下さい、ということで、口頭やメモなどではだめです、という意味です。

法令・規制要求事項

法令・規制とは、法律や政府機関・自治体・業界などが定めた規制を指し、要求事項とは、その中で、定められている品質の基準や各種の規格、また、諸手続き(許可・認可・申請など)など、を指します。

マネジメントレビュー(management review)

経営者(トップマネジメント)が、実際にその通りに運用されているか、今のシステムは効果があるか、改良すべきことはないか、などを評価し、必要な指示を出す仕組みのことです。(この規格ISO9001に従った品質マネジメントシステムは、経営者が全体を統括します)
このため、経営者は、現状を評価するための資料が必要になります。
その資料は、「5.6.2.マネジメントレビューへのインプット」で決まっています。
評価の結果、経営者が出すべき指示は、「5.6.3.マネジメントレビューからのアウトプット」で以下のように決まっています。

明確にする

物事を整理し、混乱や曖昧さがなく、他の意味に取り違えられることがないようにする、というような意味で使われます。

要員

正社員だけでなく、嘱託従業員、パート従業員、臨時社員、派遣社員、他社からの出向社員など、製品の製造(サービスの提供)に携わる人であれば全て含まれます。

要求事項

さまざまに用いられますが、「求められていること」という意味で使います。
「製品要求事項」といえば、製品に求められていること、つまり、製品の仕様、価格、納期などを指します。
「顧客要求事項」といえば、顧客が求めていること、つまり、顧客が求めていることを指します。
「法令・規制要求事項」といえば、法令や規制などで決まっていることを指します。
「規格要求事項」といえば、この規格ISO9001が求めていること、つまり、「こうして下さい」と言っていることを指します。

予防処置

不適合(不適合品、事故・クレーム、仕組みの不具合など)の発生が予測できる場合に、未然に防ぐための処置のことです。
不適合とは、仕様に合っていないもの、注文通りでないもの、を指します。

レビュー

見直し、確認、などの意味で使われます。

力量

その仕事をする場合に必要となる、知識・技術・能力・経験などを言います。
「6.2.2.力量、教育・訓練及び認識」で、その管理の方法が定められています。



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